INTERVIEW

IRIAM

糸狐めそItogitsune Meso

一人前のキツネになるためにバーチャル山から降りてきた、そうめん大好き女子。2021年3月6日デビュー、個人で活動中。普段は元気いっぱい明るい弾丸トーク、深夜枠は寝落ちさせてくれる大人のお姉さんキャラと、2種類の枠を中心に毎日配信。同11月にはSランクに到達するなど、一気に人気ライバー入りを果たした。

ときには元気ないたずら好きのキツネ、ときには豊かな実りをもたらす神聖なお稲荷さまと、立ち絵や声色をコロコロと使い分ける見事な七変化で、日々皆を楽しませる。
そしてデビュー以来、瞬く間に大人気ライバーへと上り詰めた快進撃といったら、まるでキツネにつままれたよう。はたしていったい彼女はどんな秘術をつかったのだろうか――。

「出会い」で変化した
IRIAMとの向き合い方

―バーチャル山からIRIAMの世界に降りてこられた経緯をお伺いできますか?

うーんと、何から話したらええんかな。
えっと、そもそも私、結構アウトドア派やったんですよ。いうてもキャンプとか登山とかではなく、ご飯を食べに行ったり、街歩きしたり。そうめんラブな麵好きやから、うどんとかパスタとか麵系のお店を中心に、お友だちや家族とかとよく出かけてたんですよね。

けどコロナ禍の影響でどうしても家におらなあかん生活が続くなか、たまたまIRIAMのTwitterと出会ったんです。こんなんあるんやって感じでそのままダウンロードして、見に行ってみたらこれがドはまりで。2021年の1月末くらいやったかな。

私、「可愛いもの」がめちゃめちゃ好きなんです。やから最初はただリスナーとして、男の子・女の子問わず、直感で可愛いと思ったライバーさんのところに突撃してました。
いま思えば、普通ならストレスたまって辛かったはずのあの時期、IRIAMがあったから毎日家にいても楽しく過ごせたんやなって。ありがたいなって思います。

それで配信を見て回ってるときに「めそちゃんもライバーやったらええやん」って言われたことが、ライバーデビューを考えたきっかけです。
そんなこと言われても配信なんてやったことないし、なんもわからんし、どうしたらええんかなって思ったんですけど、私いろんなことに首をつっこむタイプなんですよね(笑)。これやと思ったら何にでも飛び込んでいくのが好きなんです。
それで、ライバーも直感的に「よしやってみよう」ってなったんです。

けどやるんやったらちゃんとガチでやろう。トップバナーチャレンジで1位になるぞって気合いを入れました。

というのも、当時応援していたライバーさんがトップバナーチャレンジに参加されてて。それに賭けてる感じで一生懸命走っていらしたんです。でも結果は残念ながら目標には届かず、そのまま引退されてしまったんです。
寂しさもあるんですけど、そのとき自分がまだIRIAMのシステムをよく理解してなくて、十分な応援ができてなかったことが何より悔やまれて。見てくれてるかはわからないけど、もし自分がトップバナーチャレンジで5位以内に入ったら、その方に思いや元気が届くかなって思ったんですよね。

そんな意気込みと、自分ならやれるっていう根拠のない自信とともに配信に臨んだのを覚えてます。
不安もあったけど、これからどうなるんやろってわくわくのほうが大きかったですね。

自然と話にリズムが生まれる
IRIAMならしゃべれる

―直感、大事ですよね!それで着々と準備をしつつ、初配信を迎えられたわけですね。予習通りに行きましたか?

ぜんっぜん!(笑) マジで、ほんまに、びっくりするほどうまいこといかへんかった。

めちゃくちゃ準備してたにもかかわらず、初配信の直前までほかのライバーさんの枠に遊びに行ってて。そのとき自分のネーム表示をそのライバーさん仕様に変えてたこともすっかり忘れたまま、「こんにちは、糸狐めそですー!」って元気にあいさつした途端、一斉に「名前、違ってるみたいだけどそう読むの?」ってツッコまれるという(笑)。

いきなりやってしもたーーっ! って出だしから大騒ぎでした。私、そういうとこあるんですよ。ぼーっとしてるというか、めちゃめちゃのんびり屋さんなんですよね。

それに、私は声の仕事もしてないし、めざして練習とかしてるわけでもないから、話し方も上手じゃない。経験があるとするなら唯一、昔放送部やったってくらいで。ほんまに素人なんです。

だから、普通に話すときはなかなかすんなり返せへんし、特にきょうのようなインタビューには慣れてなくて、話そうとしてもなかなかうまく言葉にできんし、もどかしいです。

けどIRIAMやったら勢いに乗ってしゃべれるんです。一斉にわーって来るのが楽しいし、コメントが届くのも早くて。ライバーとして話すってことで、どこかスイッチが入るのもありますけど、自然と話にテンポが生まれるのが心地いい。

ほかのアプリやったら無理かなって。IRIAMは、お友だちとガンガンしゃべってる感じでいられるから好きなんです。

―とてものんびり屋さんとは思えない弾丸セリフとか、声色の使い分けなどは決して素人の領域ではないと思うのですが?

そう見えているなら嬉しいんですけど、配信はまだまだ趣味のレベルだと思ってます。趣味とはいっても、やるからにはライバーとしてリスナーさんをもっと楽しませることができるよう、責任を持っていろいろ工夫せなあかんし、もっと成長したいとは思ってるんですけどね。

仕事にできればとも考えないわけじゃないけれど、いまはその域に達するまでの自信はないです。IRIAMの中ではすごいとか言ってもらえるようになったけど、VTuber全般でいったら全然レベルが違うから。

けど、それでも自分なりの配信で、来てくれる人が楽しんでくれるかぎりはとにかく全力でやり続けます!

負けた経験がばねに
ブレない配信をめざす

―いまやSランク帯で活躍されている人気ライバーさんでも、まだまだだっていう意識があるものなんですね。

Sランクになってはじめて落ちたくない、キープしたいっていう思いが芽生えたんですけど、もともとは私、ランクや記録にはこだわってなくて。
最初リスナーとしてはじめたこともあって、IRIAMはとにかくお楽しみの時間なんですよね。いまも変わらずリスナー活動してるし、配信するのもいろんな枠に行くのも両方同じくらい大事にしてます。

けどそれはそれとして、ライバーとして配信するなら自分がただ楽しんでるだけじゃダメだって気づかされたのがトップバナーチャレンジでした。
私の中では最初から配信がめちゃくちゃ盛り上がってる気がして、自分の枠がいちばんやとどこか信じてる面があったんです。私の予定では1位もいけると思ってました。それがふたを開けてみたら1位どころか、まったく届いてもなかった。
あのときはものすごく悔しかったですね。

それでいろんな同期の枠を聞きに行ったんです。そしたらまるで違ってた。私の配信はただの雑談で終わってたんですけど、みんなのは最後に全員で歌をうたうとか、企画をやるとか、枠全体で楽しめる工夫をしてた。自分はまだまだなんやなって。トップバナーチャレンジの結果は妥当やったんやと納得できたんです。
おかげでギアが入りました。いま思うと、あのときの悔しい経験がめちゃくちゃばねになってますね。

そこからは自分の配信を磨くことに集中しました。とにかく自分ができることをやろうって。自分のとこに来てくれるリスナーさんは、自分のキャラや配信が気に入ってくれてる人なんやから、そこを信じて自分が好きなことや楽しいと思うことをブレずにやろうって。
それに、来てくれるからにはできるだけ長い時間を過ごしてもらえるように。枠の中でいかに楽しんでもらえるかをずっと考えてます。

けど私、配信中の記憶がほとんどないというか、ある意味ハイ状態というか。カービィが無敵キャンディを持ったときくらいの勢いで突き進んでる感じやから、配信を終えたらその日に何をしゃべったかとか覚えてないんです。トークが弾めば弾むほど、全力ではしゃいで完全燃焼しちゃう。そうでなくても、毎日学校とかで友だちとたわいない話で大盛り上がりするけど、内容なんて覚えてないもんじゃないですか。

でも逆にそれだけ集中して、ファンであるめそなーさんたちと一緒に全力で盛り上がれてる証拠なんかなって。毎回そういう配信ができればなって思ってます。


―ツイートの返信などで、めそさんをよく知るみなさんが「陰の努力家」と言っておられるのもよく目にします。具体的にはどのような工夫をされたのですか?

うーーん、何をやったっけかな。改めて聞かれるとそんな大したことはやってない気がするし。えーっとぉ......あ、そうだ、リスナーさんが落ち着いて聞けたり、寝落ちができるような枠をつくりました! いわゆる「寝落ち枠」っていうんですかね。

ほんまは全部元気枠で行く予定やったんです。私が弾丸のようにしゃべって、リスナーさんもガンガンしゃべって、毎回大騒ぎして。みんなそれを楽しんでくれて、ありがたくも最初からたくさんの人が集まってくれて。

けど一部にはなかなかその勢いについていけなかったり、しゃべりたくてもタイミングがつかみづらかったりする人もいて。
いつやったか「めそちゃんの配信は人が多くて、しゃべる人も多いから、しゃべりづらい。それに私がおらんでも別に大丈夫やろ」って声が聴かれるようになったんです。同じように思う人が多いのか、そのことが理由で離れていったリスナーさんたちも何人かいらっしゃいました。

めちゃめちゃ寂しかったけど、反面、私もリスナー活動の中で同じように思うことがあって。実際、自分がおらんでも大丈夫やと思って、配信の途中ですっと抜けることもあったから、気持ちはすごくよくわかって。

それで、夜遅くに配信する「寝落ち枠」をつくったんです。寝落ち枠なら、たとえ人数が多くてもコメント数はぐっと減るし、テンポもゆっくりだし。どんなリスナーさんでもきっと話しやすいんじゃないかなって。

あとBGMなんかも工夫しました。いつもはBGMやSEなしでひたすら弾丸トーク。でも寝落ち枠は雰囲気を大事にするため、声のトーンやBGMをその場の空気に沿って調整しながら演出するようしてます。

―めちゃくちゃ工夫されているじゃないですか(笑)。そういうのを努力家っていうんですよ。リスナーさんを想う気持ちがきちんと伝わっている証拠ですね。

どうなんやろ、私はただ世間話をする感覚でリスナーさんと毎日盛り上がれたら最高やなって思ってるんです。ストレスが溜まってるとき、何か辛いことがあった日に、ちょっとでも笑ってもらえて、モヤモヤを発散して元気になって帰ってもらえたらなって。

それに、私こそリスナーさんに助けられてる。リスナーさんが来てくれるからこそ、配信が成り立ってるっていうのはほんまにそうで。

私一人では全然話題もないし、正直普段から話題づくりにはめっちゃ苦しんでるし、日々悩んでるんですよ。けどリスナーさんがたとえ一人でも、きのうと違う人がそこにいてくれるだけで、そのひとをきっかけに話ができるんです。ほんまにありがたいことですよね。

ただ私、配信の予定を立てるのがめちゃめちゃ苦手で......決めた時間に配信しようと思ってても、急にやりたいことができたり寝てしまってたりして、予定が狂っちゃうんです。
いくら自然体が売りとはいえ、これはほんまに申し訳ないと思ってます。「今後、時々は配信予定を立てられるように本人は努めております」ってぜひ書いておいてください!

自然体で楽しむ
みんなと楽しむ

―かしこまりました(笑)。そんな配信の工夫もそうですが、めそさんはいろんなイラストレーターさんの立ち絵を使われていますよね。まさにキツネの七変化ではありますが、そのことも演出のひとつですか?

いや、あれはたまたまそうなっただけなんです。
最初立ち絵を頼んだ人にそのまま頼めたらよかったんですけど、状況的に無理やったんですよね。けどトップバナーチャレンジにはどうしても新衣装がほしかったから、ほかの方にお願いするしかなくて。それでいろんな絵師さんに頼んでみたのがはじまりです。

「いろんな絵に変わるけど、上をめざすなら同じにした方がええんとちゃう?」って意見をいただくこともあったけど、何より自分が楽しめてるし、衣装を変える感覚っていうのかな。毎朝の「きょうはこのメイクで、このお洋服着ていこう」みたいな感じで、それが自然体なんです。気分転換もできるしね。いまやリスナーさんも「きょうはこの立ち絵でやってんだね~」みたいなノリでいてくれてます。
そうそう、妹にも立ち絵を描いてもらってるんですよ。

―妹って? それは実の妹さんですか?

そうです、ガチ妹です。配信の中でよく使ってる「たなか」っていうキャラの生みの親が妹で、いまはIRIAMでも絵師として活動してるんですよ。
もとからIRIAMに興味があったわけではないんですが、私が毎日、妹にも聞こえるような音量で、完全に確信犯で妹が好きそうなライバーさんの配信を選んで流しまくってたら、いつの間にかリスナーになってた♪(笑)

けど絵師としてやってみたいって言いだしたのは妹やし、ライバーとしてもがんばって活動してるんですよ。IRIAMの世界を一緒に楽しめて、一緒に成長していけるってすごいことやなって。幸せやなって思います。

ギフトに託された想い
受け取る瞬間が最高に幸せ

―ライバーとしてもリスナーとしても、そしてご家族でもIRIAMを楽しんでいただけているなんて、嬉しいかぎりです。なかでも、特にめそさんのやりがいとなっているのはどんなことですか?

最近は雑談が中心で、全力ガチで挑むようなイべントにも出てないから、凝った企画をしているわけでもなくて。Sランク帯へのランクアップやランクキープを中心に活動しているので、特別何か目標を設定してというのはないです。リスナーさんたちにも無理させたくないんで。

その分、日々のやりがいや手ごたえになっているのが、リスナーさんからギフトを贈ってもらう瞬間。私にとってのいちばんのご褒美なんです。

それはポイントがどうこうって話じゃなくて。あ、いやでもポイントをもらえることも嬉しいか。嬉しいは嬉しいんですけど、でもそれ以上にリスナーさんたちが想いをこめて贈ってくれる、その気持ちを丸ごと受け取る瞬間が最高に幸せ。IRIAMやっててよかったー! って毎回思うんです。

私も推し活をしてるから、リスナー側というか、ギフトを推しに渡す側のドキドキやワクワクとか、渡す瞬間の高揚感もわかるんですよね。やからこそ、いまこの瞬間どんな風に思って投げてくれたんやろって想像するだけで、うわーー♪ ってなって、めっちゃテンションあがる。

あと、IRIAMのプチギフトって可愛いんですよね。季節によって期間限定で使えるプチギフトをリリースしてくれるし、演出も変わるでしょ? サプライズ感があるから、もらう側の反応も毎回変わるし。もらってもあげても、あれはほんまに嬉しい。ほんま大好き!

ギフトの表示時間が短いのも、またいい。一瞬だからこそ、余計その瞬間が尊いんです。でも後でスクショ見たら私、半目やないか―――!(笑)とか、あまりの嬉しさに叫びまくってとんでもない顔してるのばっかりで。けど、それはそれでIRIAMならではの楽しみ方なんかなって思います。

「手の届くところに推しがいてくれる。
IRIAMってほんまに尊い」

―最後に、自然体で自由にIRIAMを楽しまれているめそさんから、新人ライバーさんやこれからIRIAMを始めようとされている方に何かアドバイスをいただけますか?

ない!(即答)
何かあるかな? うーーーん、ない。やっぱりないです。そんな、人様にどうこう言えるような立派なことしてないし。しいて言うなら、「自分らしく生きよう!」ってことくらい。お役に立てず、すみません!

けど、IRIAMの推しポイントならまだまだ話せますよ。
ライバーとしてはラグなしですぐコメントが届くのが嬉しいし、リスナーから見たら自分のコメントを推しにすぐ読んでもらえる喜びがあるんです。
アニメのイベント会場とかって開催エリアが限られてて、行きたくても遠いとか、お金がかかって無理とかが多いんですけど、IRIAMやったら推しがいつでもスマホの画面にいてくれる。手の届くところに推しがいてくれるって、ほんまに尊いことなんです。

そして私がここまでこれたのも、私のことを「推し」やと言って支えてくれているめそなーののおかげ。私だけの力じゃここまでたどり着けんかった。紛れもなく、そばに居て、いっぱいパワーをくれるめそなーの力なんです。
口ではなかなかうまいこと言えへんけど、配信を見にきてくれたら一発で伝わると思います。

だから少しでもIRIAMに興味を持てたなら、ぜひ配信を見にきてほしい。私も「もきゅもきゅもっきゅ~!」とか初見挨拶の動画をアップしてるけど、それでもPVではキツネじゃなく猫被ってて(笑)。やっぱり実際の配信とは全然雰囲気が違うんです。これはほかのライバーさんも同じやと思うんで。
私はもちろん、イルミナリーで気に入ったライバーさんが見つかったら、ぜひ一度配信を見に行ってみてくださいね!

―最後まで〝らしさ〟あふれるキャラクターが本当に魅力的で、お話していても自然と笑顔になってしまいます。インタビュー形式は緊張するとおっしゃっていた中、たくさんのエピソードを聞かせてくださりありがとうございました!

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