INTERVIEW


日向ささHinata Sasa

やさしく親しみやすいお姉さんライバー。まったり癒し系の雑談が中心で、合間に歌や練習中の弾き語りを披露しながら皆がほっと一息つける空間づくりをめざす。IRIAMデビューは2024年9月。基本ゲリラ配信。

本当の「学び」は、頭で「わかる」ことではなく「できる」ことだといわれる。実際にやってみて、考えずとも体が自然に反応するくらいまで体得すること。そして繰り返し学び続けるなかで人は成長するのだ、と。

この世界を学びたかった彼女は「日向ささ」として日々学び続け、体得した直感を信じて新たな挑戦を繰り返しながら、驚きの成長をとげていく。

さらにいま「育てる」というステージに挑み始めた彼女が、この先どんな境地にたどり着くのか。考えるだけで胸が躍る。

キャラの勉強はじめました

―キャラクタービジネスにご興味があって配信を始められたとか。詳しく伺えますか?

そもそもは、私が小学生のころの話になります。
身近な知り合いがオリジナルのキャラをつくって、グッズもたくさん制作してたんです。

私はそのキャラが大好きで、もらったキーホルダーをずっと大切に使っていたのですが、当時はいまみたいなSNSの盛り上がりもなかったから、世の中にまるで広まらないまま終了しちゃって。山のように売れ残ったグッズの整理を手伝ったとき、悲しさを通り越して悔しくなってきて「こんなのおかしい。いつか私が有名にしてやる」って、幼心に誓いました。

大人になって、仕事で営業職に就いて身につけたマーケティング知識と、いろんな発信ができるSNSを駆使すれば、何か良い方法が見つかるんじゃないかって、ふと思い立ったんです。けど、ひらめいてはみたものの、自分で一からキャラをつくったり、既存のキャラを使って何か試したりするのはどう考えてもハードルが高い。そうか、だったら自分がキャラになればいいだけの話やんって(笑)。

それで、いちばん手っ取り早くキャラ化が実現しそうなVtuberやライバーへの道を模索した末に、たどり着いたのがいまの事務所です。それまで一度も配信に触れたことのない状態だったけれど、直感と強い思いを信じて飛び込みました。

以前周りから「ほっとする声だね」と言われたことがあったのと、どうせやるなら誰かの心を癒せる、寄り添える配信がしたかったので、「日向ささ」のキャラは身近にいそうなナチュラル系の女の子にしました。だから、衣装というか、お洋服もリアルに近いもので。イメージカラーも、見ていてリラックスできる緑とか、明るく元気になれるビタミンカラーを意識しました。

日向ささ、推し活を学ぶ

―実際にライバー活動を始めるなかで初めて「配信」に触れられて、何か気づいたことや思惑とのギャップなどはありましたか?

当初はキャラクタービジネスを学ぶことを目的にしてたので、ライバーデビューという気負いもなかったし、枠回りもほとんどしないまま初配信当日を迎えました。ほぼ知識ゼロだから、気づきとかいう以前にまったく話についていけなくて。「レカペ」とか「BGM」とか、出てくるワードすら何を意味するのか分からない状態で、必要なことはぜんぶリスナーさんに教えてもらいました。

少しずつ慣れていけばいいやと思ってたから、まったりのんびり、事務所の配信ノルマを何とかぎりぎり達成するくらいの感じでやってて。だからリスナーさんとマンツーマンとか、誰もこない時間とかもありました。ただ、それもひとつの大事な経験としてとらえていたので、特に焦りはなかったです。

それに、学びは枠のなかだけの話じゃなく、Xにライバーアカウントをつくった時点でおすすめユーザーが配信者で埋まったり、ポストの反応も一気に変わったり。ライバーを始めたことでいろんな波及効果が実感できたし、気づきもたくさん得られました。

配信に対する向き合い方が変わったのは、トップバナーチャレンジのラスランです。イベント初日は喉を傷めてて声が出ないわ、中日は作業枠にしちゃうわ、いま思うと散々でしたが、ラスランではいままで見たことのないようなギフトやたくさんのコメントで応援していただけたんです。ただただ圧倒されるような盛り上がりで。部活動やイベント行事で大熱狂した当時の感覚を思い出しました。

それで自分も誰かを応援したいって気持ちが強くなって、後輩や知ってるライバーさんのラスランに顔を出すようになって。全力応援して、つながって、仲良くなってと、いまさらですが「枠回り」を体験しました。輪が広がってうれしかったし、自分がリス活をするなかでリスナーからライバーがどう見えるのかとか、リスナーとしてライバーに向ける気持ちとかを学べたことはすごく大きかったです。

それからは、リスナーさん一人ひとりのことをもっと知ろう、いろいろ聞いていこうって意識が高まって、来てくれた人の名前や呼び名、趣味とか好き嫌いとかをノートに書き留めるようになりました。いまでも続けていて、もう二冊目に入りましたが、ほんと宝物だし、これからも続けていきたいと思っています。

本気モード突入

―それは大きな転機でしたね。

転機でいうと、その半年後くらいにあった事務所のペアチャレンジイベントも大きかったです。

トップバナーチャレンジ以降、少しずつ人が増えていって、普段からギフトやコメントで盛り上がれたり、常連さんたちがたくさんファンバッジをとってくれたり。枠として成長している手ごたえがありました。

そんなときに参加したイベントで、みんなで協力しながらワンチームになって必死でがんばって、すごくいい感じに進んで上位に食い込めるって確信があったのに、結果、わずかな差で負けてしまったんです。もう悔しくて、悔しくて。何より自分の甘さが悔やまれたんですよね。もっとやりようがあったはずなのに、って持ち前の負けず嫌いに火が付いて。ライバー活動への取り組み方が一変しました。

これからはちゃんとやりたいことを目標として明確に伝えて、声に出して言い続けていこう。みんなの応援をひとつも無駄にしない覚悟で、きちんとランク管理していこう。IRIAMや事務所のイベントと枠の状態をしっかり見ながら、いい波が来たらたとえ準備が万全でなくとも飛び込んでみよう。とにかくやれることをやりきって、結果を出していこうって心に決めて。IRIAMのプロフィール欄に「目標:S帯タッチ!」を加えたのもこのときです。

―その後「Sランク帯タッチ」を実現されましたよね。やはりその意識の変化が理由ですか?

いちばんの理由は「初心者向け配信」ですね。ほんとウェルカムパスのおかげなんです。これがなかったら私、ここまで伸びてなかったと断言できます。
といっても、最初から活用できてたわけじゃなくて。使っても、月1、2枚ほど。そもそも私、初心者向け配信が苦手だったんです。

ノートの話をしたように、リスナーさんのことは知りたいし、相手のことがいろいろわかってたらどうにでも話せるんだけど、初めての人だとどこまで踏み込んでいいのか迷っちゃって。そのうえプロフィールに何の記載もなく、アイコンもデフォルトのままとかだと、話すきっかけも見つけづらくて。

でも事務所の人に、伸びるためには新規のリスナーさんが必要だし、そのためにはウェルカムパスを活用したほうがいい。一緒にがんばろうっていってもらえて、少しずつチャレンジしていきました。

普段は当たり前のようにチュートリアルミッションの説明をしていたけれど、初めて入ってきた人はどうしてもらいたいのかな。ライバーや常連リスナーさんたちにどんな風にかかわってもらえるのがうれしいんだろうって、相手の立場になって「体験」を一つひとつ追っていって。

緊張しているなかでも答えやすい簡単な二択の質問をするとか、同じ趣味の人がいたら「常連の〇〇ちゃんと一緒だね!」って枠のなかでのつながりをつくるとか。居心地の良い空間づくりを考えて、少しでも楽しかったという感情が残るような体験を演出しています。

ウェルカムパスもだけど、常連リスナーさんたちの協力のおかげですね。ライバーはもちろんだけど、リスナーさんの感じがよかったと思ってもらえることってほんとに大事で。みんなが一緒に「初心者さん大歓迎」姿勢でいてくれるから、続けて来てもらえる。で、そうなったら「あなたはもう常連なんだから、今度初見さんが来たときにはよろしくね!」って。もう離しません!(笑)

まるごと伝える

―デビューから一周年を迎えられて、いちばん記憶に残っている出来事は?

やっぱり「IRIAM活動1周年!!想いを届けよう!in 秋葉原」はこの一年の活動の集大成だし、そこで1位をとれたことは最大のトピックです。私だけじゃなく、リスナーさんたちにとっても最高のごほうびとして、記録と記憶にしっかり残ってくれたらうれしいです。
実際、みんなめちゃくちゃがんばってくれたので! 全力で感謝して、これからますます気合を入れて活動に向き合います。

それとは別に、心に残っている配信はと聞かれたら、イベントでもなんでもない一日の話。私、突然ボロボロ泣きだしてしまって。リアルでは、何かに感動して泣くみたいなことはしょっちゅうあるのですが、配信ではそれが初めてでした。

仲良しのライバーさんで、ものすごく弾き語りの上手な人がいて、声もすてき。その人の枠は毎回聞き惚れてしまうほど、憧れの存在です。

その人のイメージが頭に焼き付いているなか、弾き語りを始めようとしてふと気づいたんです。自分の弾き語りは雑談枠の延長でやっていることで、歌枠じゃないんだよなって。当然リスナーさんたちもそういう意識でいるだろうし、実際に数年前から触っているギターは一向にうまくなっていない。もちろん人と比べることじゃないけれど、なかなか伸びないのは努力不足であることもわかってて、それすら言い訳している自分も嫌だなとか。いろんな思いが湧き上がってくるなかで、気づけば私がVライバーを始めたきっかけや今後の展望とかまで話が及んじゃって。

普段はライバーとして毅然としてなきゃ、みんなの頼れる存在じゃなきゃって、なかなか自分の本音というか弱い部分を伝えないようにしてきたぶん、一度漏らしたら押さえていた感情が涙と一緒にあふれてきちゃって。そんなダメな自分だけど、みんなといま以上に楽しむためにも、もっともっと練習して、うまくなりたい。ライバーとしてももっと成長したいんだと言いながら、気づけば大号泣しちゃってました。

けど、すぐにリスナーさんたちが「気持ちが伝わってきたよ」とか「お互いの距離がぐっと縮まったし、もっと応援したくなった」って、続々と温かいメッセージで包み込んでくれて。ほっとしたし、ものすごく心強かった。なんだ、私もみんなに寄りかかっていいんだ。「ライバーたるもの」みたいな覚悟や姿勢とは別の側面も見せていいんだって、ふと肩の力が抜けました。いつも自分をやさしく見守ってくれる存在がいることに改めて気づけて、ライバー活動のギアが一段上がった気がします。

継続と挑戦

―いろいろ大きな変化があったなか、今後の目標を聞かせてください。

まずは、継続することですね。できるかぎりいまの状態をキープしつつ、みんなと楽しめる配信を長く続けていくこと。

もうひとつは、最近の大きな変化というか、新たなステップとして踏み出したのが、事務所の設立です。いまの事務所との提携で、自分の事務所を立ち上げました。

一年という活動期間で、私自身もまだまだ駆け出しライバーではあるのですが、これまでの自分の葛藤と格闘の日々を通じて体得したもの、感覚的なことを含めてしっかり伝えていきたい。一人ひとりにきちんと寄り添って、安心してライバー活動に臨めるようにサポートしたいですね。

そのためにも、日向ささが「堂々と背中を見せられるライバー」であり続けなきゃなと。そこが崩れてしまったらチャレンジの意味がないので、ライバー活動についてもこれまで以上に気を引き締めてがんばっていきたいと思っています。
もちろん弾き語りも、練習し続けて絶対にうまくなります!

やりたいことに向かって

―どのチャレンジも応援しています!
最後に、ライバーをめざされている方にメッセージをいただけますか?

ちょうどいま事務所の採用面接をしていて、いろんな方にお会いする機会に恵まれているのですが、そこで思うことがあって。

配信のスタイルに正解はなくて、それぞれが好きなやり方を選べばいいんですけど、おおもととしては二方向あって。個人で趣味の範囲で楽しむ分にはほんとに思うまま、人の来る・来ない、結果が出る・出ないに関係なく、来てくれた人とのコミュニケーションを楽しんでほしいし、気分が乗らなければやめてもいい。

でもそうではなく、配信活動をしたい、上をめざしたいというのであれば、ただお金を稼ぎたいとか、できれば人気者になりたいとかいうスタンスではきっと気持ちが続かないから。
自分なりのゴールとか配信を通じてやりたいこととか、何らか具体的な到達点がないと歩き続けることはできない、と私は思っています。

行き先がわからずさ迷っているとか、後ろを振り返っては二の足を踏んでばかりじゃ、時間がもったいないから。本気でやりたいなら、何かひとつでもいい、自分の追い求めるものを持って、そこに向かって歩き続けてほしいと思います。
歩いているうちにどんどん楽しくなって、きっといつか想像以上の景色に出合えるから。勇気をもって最初の一歩を踏み出してください。

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