居場所を求めて

―IRIAMで配信されるまでの経緯について教えてください。
最初はYouTubeです。発信することで何者でもない人が何かになれる場所として、いちばん盛り上がっていた時期でした。自分も仕事ではなく好きなことをやって一定の評価を受けたい。さらにそれでお金を稼げれば、という軽いノリでした。
とはいえ僕はSNSすらやってないくらいその道に疎かったので、周りに声をかけつつ初心者ながらあれこれ挑戦してみたのですが、動画づくりってほんとに難しくて。納得できる作品はつくれないし、結果も残せない。人気YouTuberのすごさを痛感しました。
その後Vtuberとしてゲーム実況や雑談配信を二年半くらい続けたのですが、当初思い描いたゴールにはほど遠く、自身の成長も感じられなかったので、YouTubeでの活動に区切りをつけることにしました。
次の活動場所を探しているなかで配信アプリの存在を知って、IRIAMにたどり着きました。Vtuberにとって、いちばん魅力的に映る角度のイラストを探すのが結構大変なのですが、IRIAMでは一枚絵があれば自動認識で目や口が自在に動いてくれるのと、得意な雑談が生きることが決め手です。
事務所所属の強みと弱み

―配信までの準備についてはいかがでした?
それまで個人での活動しか知らなかったのと、事務所に在籍することでどう変わるのか知りたくもあったので、まずは事務所探しから始めました。
事務所では最初から同期もたくさんいたし、頼れる先輩方にも恵まれて心強かったですね。そこから半年ほどの準備期間は先輩方の枠にお邪魔してはいろいろ勉強させてもらいました。
その反面、初配信に来てくれた方の約8割が事務所絡みという〝ほぼライバー〟状態だったので、その場は盛り上がったものの自分としてはまったく手ごたえがなく、このままではすぐに終わるなと。実際何日かするとライバーの方々も来なくなり、どんどん人がまばらになってきてと、いきなりスランプに陥りました。
ただこれまでの経験上、配信に明確な正解はないというか、すぐに答えが見つかるわけではないので、とにかくやり続けること。まいにち配信し続けるというのがひとつ。あとは普段やらない時間帯に配信してみて出合う機会を増やすとか、アイコンのイラストを描く企画で興味を持ってもらうとか、できる工夫はしていました。
状況が一変したのはトップバナーチャレンジです。ガチャ企画をやったとき、僕にというよりガチャが目的で来てくれたガチャ好きの方がたくさんいらっしゃって。その方々が「コイツおもしろい!」って、続けてきてくれるようになったんです。ガチャきっかけで純粋なリスナーさまが5割強になって、ありがたいことにいまは8割くらいまで増えました。
リスナーさまファースト!

―ガチャ企画のまえに、リスナーさんの内訳比率を細かく把握されているのが気になります(笑)。これまでの目標設定や自己分析のお話も含めて、ご性格ですかね?
そうですね。見た目と中身にかなりギャップを抱かれると思われますが(笑) いろいろ分析して、細かく目標を立てたうえで計画的に動くのが昔から好きですね。目標も、短期的な目標と長期的なものをそれぞれ設定しながら、ゴールから逆算していつまでにランクアップするとか、どう準備していくかとか、考えてるだけでわくわくしてきます。
あと僕の場合、リスナーさまにいかに楽しんでもらうか。そこに対する評価をギフトとしていただいているというスタンスで活動しているので、「リスナーさまファースト」は絶対なんです!
だから、リスナーさまのプロフィールや個性、趣味嗜(し)好などを把握するのは基本中の基本。コメント対応や企画のあり方、髪型や衣装などできるかぎりご要望を反映しています。
たとえば、うちの枠ではガチャ企画がリスナーさまに大変ご好評いただいているので、自分としてもかなり力を入れています。あるときは5日間連続で同じガチャをやってみたり、初期衣装など以前作ったグッズなどを集めて復刻版ガチャをしてみたり、毎回工夫を凝らしています。特に復刻版は新しい人でもグッズをコンプリートできて嬉しいと言っていただけました。
何度も続けているうちに、うちの枠はベースが雑談なのですが、それとガチャを組み合わせていくスタイルがいちばんリスナーさまに喜ばれて、自分にも向いているってことがわかったんです。雑談は雰囲気が固まっているから入りづらいんだけど、この枠はガチャきっかけで入りやすかったし、その後の雑談にもスムーズになじめたと言われる方も多いですよ。
頼れる<燐人>
―YouTubeでも雑談配信をされていたとのことでしたが、配信スタイルで何か変化はありましたか?
とくに自身の配信スタイルやスタンスに変わりはないというか、基本ありのまま等身大でしゃべっているので、そこはまったくブレないし、これからもブレることはないです。
それで以前は鳴かず飛ばずの状態だったなか、ここまで、まさかイルミナリーに載れるくらいまでこられているのは、IRIAMのシステムや機能に助けられているところが大きいと思います。注目タブとかサムネイルとか配信での盛り上がりとか、自分ががんばれば目立つところに表示されやすくなって、たくさんの人に見つけてもらいやすくなる。
とくにYouTubeショートやTikTokがなかった時代に配信していた者としては、楽しませる以前にまず見つけてもらうことが難しかったので、そこを後押ししてもらえるIRIAMのシステムはすごくありがたいし、ずいぶん救われました。
あとリスナーさまのサポートですね。ちなみに僕のファンネームは「燐人(りんじん)」というのですが、実際に頼れる燐人が多いんです。
僕、ビジュアルは強いんですけどセンスがないもので(笑)、サムネイルなどもデザインが得意なリスナーさまが作ってくださっているんです。先日も、ガチャグッズに添える自作のサインがあまりにダサすぎたので、皆さまに考えていただきました。
ほかにも自分の弱い部分を見事に補ってくれるリスナーさまに恵まれておりまして、いつもおもいきり甘えちゃってます(笑)。

亜育燐は怖くない
―それは心強いですね。と同時に、センスについてのお話はビジュアルからはまるで想像がつかず、新鮮でした(笑)。
そうなんですよね......見た目が怖そうなんで、何でもビシッと決めてそうなんですけど全然そんなことないので。とってもやさしいし、何なら三枚目キャラだし、めちゃくちゃもてなすし、ほんとに怖くないですからー!!!
―そういえば、以前新背景で遊ばれていたお姿もギャップがすごくて爆笑しました。
ものすごく反響がありました。でもあれは配信のごく限られた1シーンでしかないので、枠に来たらあんなものじゃないよって。もっと笑っていただけるし、何倍も楽しいよって声を大にして言いたいです。
僕自身、どんなコメントでもおもしろくする自信があるし、いじられても嫌な気持ちにさせない。ライバーとしてそこをいちばん大事にしている。ありがたいことに、周りからも「コメント欄がおもしろい!」と言っていただけることが多いのですが、それは僕だけじゃなく、頼れる燐人たちが一緒になって盛り上げてくれるからなんです。
ノリツッコミはもちろんですが、ファンバッジに応じてコメントの色が異なることで初見の方に威圧感を与えないよう配慮してくれるとか、場の空気を読みながらの大人なアシストにいつも助けられてます。どなたでも居心地よく楽しめる枠なので、いつでも安心してお越しください!
さらに入りづらさを解消するべく、初心者向け配信や入室耐久なども定期的に実施しているので、僕の見た目やコミュニティランク差とかにひるまず、気軽に遊びに来てもらえると嬉しいです。
等身大で輝ける場所

―言い方!(笑) 本来なら最強の武器になりそうなビジュアルなのに、さっきからおもしろすぎます。
最初に言ったように、キャラはありのままの自分なんです。けど見た目はグッズ展開にかかわってくるじゃないですか。応援してくださる方にはできるだけ良いものを届けたいし、ずっと手元に残るグッズが良いものであればあるほど喜ばれるはず。同じ飾るなら絶対かっこいいアクリルスタンドのほうが嬉しいですよね。
それで「とにかくいちばんかっこよくしてださい!」とだけリクエストしてイラストレーターさんにお任せしたら、最強ビジュアルの亜育燐が爆誕しました。結果、いまの自分を支えてくれるガチャ企画で毎回皆さまに喜んでもらえるグッズがつくれるのも、このビジュのおかげだなと感謝しています。
一方で、キャラはつくらない。というか、自分のまま、ありのままで勝負できる。持つ力を最大限発揮できる「居場所」をようやく見つけられた。やっとはまったなって感覚があります。
しゃべるのが好きで、人を楽しませるのが好き。それが実際に誰かを喜ばせて、望まれて、評価もされて、さらにスポットライトが当たるIRIAMの世界がどれだけありがたいか。同じ雑談をやっていても注目のされやすさが本当に違う。いろいろやってきたからこそ、そのありがたさや居心地の良さがわかるんです。
想いをカタチにして伝える

―嬉しいお言葉をありがとうございます!
そうしたIRIAMの世界でさらにチャレンジしたいことは?
まずはLive2Dですね。近々発表するタイミングなので、自分も楽しみだし、皆さまにも楽しみにしていただければと。
イベントで言うと、ここ最近は開催されていないのですが、オリジナルのぬいぐるみを制作してもらえる「オリぬい」ですね。これ、ぜひやっていただきたい! この声がこの世界の神様にどうか届きますように!(笑)
というのも、オリジナル系のイベントを制覇したいという目標を掲げているのと、もうひとつあって。
1周年のときに参加した「オリソン!IRIAM MUSIC」で2位入賞させていただいて、僕としては大満足の結果だったのですが、リスナーさまが「1位にしてあげられなかった」と本気で悔しがってくれて。亜育燐をこんなにも応援してくれているんだっていう驚きと嬉しさが押し寄せてきたのと同時に、僕自身の熱量を越されている時点でダメだなと気合を入れ直しました。リスナーさまの想いに応えられるよう、次の周年では1位をとりにいきます!
さらにその先の大きな目標としては、今回いただいたイルミナリーというとんでもない機会もそうですが、ミライトであるとか広告であるとか、IRIAMでより注目されるステージに乗っかりたいです。僕はもちろんリスナーさまに喜んでもらえるし、そこでしっかり爪痕を残すことで亜育燐を応援しているご自身のことも誇りに思ってもらえるかなって。
僕、配信では無限に軽口を叩けるのですが、大切な感情や想いを言語化するのが苦手なので、いろんなカタチにしていくことで気持ちを伝えて、少しずつでもお返ししていきたい。そのためにも日々自分を磨いてまいります!
できればノーコメントでwwww
―どこまでも「リスナーさまファースト」でいらっしゃるのですね。そんな燐さんから、ライバーをめざす方々にもメッセージをいただきたいのですが。
僕、全ベクトルが「リスナーさまファースト」に向いているので、それ以外のことには頭が回らないんですよね......という言い訳でご容赦いただきたいくらいにこの質問は難しくて。
これまでイルミナリーに登場されたライバーさまはとても立派なコメントややさしいことばを残されているのですが、自分はどんなライバーさまもライバルだと思っているので。経験の有無を問わず、キャラや配信スタイルも関係なく、どのライバーさまもこの先自分を脅かす可能性を秘めているので、わざわざその背中を押したいとはとても思えないんですよね。
ただ同時に、IRIAM全体としてはどんどん盛り上がって、この世界がもっと広がって、たくさんの方に楽しんでほしいという思いも強くあるので、ものすごく葛藤があります(笑)。
いずれにせよ、僕のことばで何かが変わることも、誰かの気持ちを変えられることもないだろうけれど、これまでの話で、ずっと伸び悩んでいた自分がIRIAMという本領発揮できる場所を見つけたことでここまで上がってこられたというひとつの事例が、誰かの希望や支えになれば嬉しいです。
そして最後に大切なことをもう一度だけ皆さまに伝えておきます。
亜育燐は、怖くないです(笑)。それはもう手厚くお迎えしますので、ぜひ気軽に遊びに来てください!
