自分が本当に輝ける場所
―IRIAMデビューから三年半以上とライバー歴の長いココさんですが、そもそも配信を始められたのはいつごろ、どのようなきっかけで?
もう五年くらい前の話になるんですけど、当時のTwitterを見ていたときにふと目にした配信アプリの広告のキャラがかわいくて。アバターで配信するタイプのアプリだったんですけど「何これ、ココもやってみたい!」って、軽い感じのノリで始めたのが最初です。
もともとおしゃべりが好きだし、長く塾講師をやってたから一対一でも大人数相手でもうまく話せるし、われながら配信に向いてるなと思ってて。普通に楽しく話せてもいたんですけどなかなか芽が出ないし、イベントに出ても成績が振るわなくて。こんなに歌もおしゃべりも上手なのになんでだろうって。アバターでは個性を出すのが難しいなと思いながら、ずっと納得いかない気持ちを抱えてました。
しばらくして、そこでの友だちがIRIAMでデビューすることになったので応援しに行ってみたら、その子の立ち絵がめちゃくちゃかわいい。ほかのライバーさんたちもいきいきしてるし、また「いいなー、ココもやってみたい!」欲が発動しちゃって。試しにさっと顔だけのラフ画を描いて、読み込んでみたんです。
そしたら顔だけでもちゃんと反応して「うわ、自分の描いた絵が動いてるー!」ってテンション爆上がりでした。ほんとにすごい技術ですよね!
その体験でモチベーションが急上昇したのと、この立ち絵で配信できるIRIAMでなら絶対に〝自分らしさ〟が出せるはず! ここでなら「栗音ココ」はもっと輝ける! って確信して、IRIAMでの配信を決めました。それからいろいろ試行錯誤しながら全身版のイラストを仕上げていって、絵が完成したタイミングでデビューした感じです。
自信をもらえてエンジン全開!
―実際にIRIAMで配信し始めて、何か変化はありましたか?
しばらくは特に変化はなかったです。というのも、当時はデビュー前に枠回りをしてフォロワーを増やしておくみたいな慣習がなかったし、特に何かを準備することもなく試しにやってみるような流れだったので。
それでも初配信には前のアプリでつながっていた友だちや初見のリスナーさんが来てくれて、楽しくおしゃべりできたし、プチギフトもいただけて、ずっとハイテンションでした。
みんないい人ばかりで、そのとき来てくれた人がいまでも変わらず一緒にいてくれてたり、デビュー初月からひと月も途切れることなく、三年半以上もの間ずっとファンバッジを獲得し続けてくれてる人がいたり。そういうIRIAMの環境というか文化みたいなものがすごく心地よくて、自分の肌にも合ってるなって感じたのを覚えてます。
イベントに関していうと、トップバナーチャレンジもやっぱりいまみたいな雰囲気ではなくて、同期みんなで仲良くお祭り騒ぎ! みたいな感じだったので、ガチで走ったのはもっと後です。
友だちがイベント特典でもらってた「しらすスマホリング」がめちゃくちゃかわいくて。「ココもあれがほしい! だからイベントもがんばりたい!」という例の流れで「IRIAMをもっと楽しもう!〜スマホリング編〜」に参加して、ガチで走ったんですね。
嬉しいことに入賞させてもらって、念願の特典がもらえて。いまのとこスマホリングが特典のイベントはそれっきりだし、あのときがんばっててほんとよかったなって思ってます。
それに配信人生初の入賞体験もものすごく自信になったんですよね。「勝てたじゃん!」「やっぱりココできる子じゃん!」「IRIAMに向いてるじゃん!」って、どんどんエンジンがかかってきました。
それからオリジナルギフトのイベントに出るようになって、リスナーさんもじわじわ増えていって、たくさん応援してもらえるようになったころ、いまの事務所から声がかかったんです。
教えて、ココ先生
―そのお声がけはどのように受け止められました?
なぜこのタイミングで? と驚いたものの、イベントに出てがんばってる姿をどこかで見ていて評価してもらえたのかなって。素直に嬉しかったです。それに、かわいい子がたくさんいる印象の事務所だったので、自分もその中に入れるくらい可愛いって認めてもらえたんだって自信にもつながりました。
その反面、事務所に入ったら「自分の姿」じゃなくなるかも? これまでに自分で作ったグッズやデザインも使えなくなる? とか、いろいろ制限されて好きなことが自由にできなくなるんじゃないかって心配で。相談してみたら、ぜんぶそのままでいい、これからも気にせずココらしく活動していいって言ってもらえて。制限なしで、そのうえLive2Dにもなれるなら最高じゃん! って(笑)。
それに入所したら事務所での同期ができて、前から仲良かった友だちとはさらに絆が深まって、いろいろおしゃべりしたり相談したりできるのがまた楽しくて。
特に同期の子に関しては、同期でありながらライバーとしては数カ月ほどココのほうが先輩なので、ココが知っているかぎりの情報やコツみたいなものを教えてあげられたし、それを喜んでもらえたのもめちゃめちゃ嬉しくて。
これは事務所内に限らず、後輩でも相手が誰でも、ココはやっぱり教えたり、お世話をしたりするのが根っから大好きなんですよね。
だから「初心者向け配信」なんかも大得意です! IRIAMで新機能として実装される前から個別で初心者さんに同じようなことはやっていたし、周りからもすごくわかりやすいってよくほめてもらえます。
そのまま定着して常連になってくれることも多いし、ココのところじゃなくても配信を楽しんでくれてたらそれだけで嬉しい。教えるのってほんと楽しい、初心者向け配信も大好きです!
前を向くという生き方
―「好き」や「得意」がしっかり活動に生きていて、すてきですね。
そんな育てるライバー・ココさんご自身の成長についてはいかがでしょう?
ココは自己肯定感がめちゃくちゃ高いので、もともと歌もおしゃべりもめちゃうまだと思ってるんですけど、リスナーさんってものすごく褒めてくれるじゃないですか。その前に、ちゃんと聞いてくれる。ココの歌や弾き語りや話にきちんと向き合って、そのうえでうまいと褒めてもらえるのが嬉しい。だからこそ、もっとうまくなってやるとか、もっとできることを増やそうとか、どんどんチャレンジしたくなるし、それでまた成長できるんですよね。
だから褒めるのも大好きです! イラストでつながっている子とか自分の好きな子を応援しに行ったら、そのあと良いと思ったところを具体的に伝えるようにしてます。褒められるのって励みになるだけじゃなく、自分の魅力を教えてもらえたらそれがライバーとして強みにもなるので。褒めて伸ばすってそういうことかなって。
そうじゃなくてもココはもともと世話焼きなので、アドバイスできることがあれば何でも言うし、サムネイルが地味で目立ててなかったり、ランク計算がよくわからないなんて話を聞いちゃったりすると「もうこっちでやってあげるからよこしなさーい!」なんて、一気に母親モードに突入しちゃうんですけどね(笑)。
―イラストレーターとしてだけじゃなく、ガチな「ママさん」ですね!
そんな頼れるココさんがへこんだり、弱気になったりすることはあるのでしょうか?
あります、あります。想像がつかないと思いますが、よく泣きます。
かなり前の話ではあるのですが、たとえばオリジナルイラストギフトのイベントで入賞に届かなかったとき。イベント直後はやり切った感とか高揚感しかなかったのに、枠を閉じた後に自分の不甲斐なさが悔しくなってきて。夜通し泣いて、さらに翌朝事務所の運営さんに泣きついて慰めてもらったことも。仕上げに褒め上手の友だちの枠に行って、めちゃくちゃ褒めてもらってようやく完全復活しました。
でも基本は引きずらないです。寝て起きたら忘れる! 気持ちをビシッと切り替える!
もちろん悔しいけど、ずっと悔しがってても何も好転しないので。忘れるために、前を向くために、先の予定を考える。未来を見据えることがいちばんの特効薬なんですよね。
ココ、毎月のスケジュールをカレンダーにまとめてSNSで告知してるんですけど、それも単純に計画立てたり数字を整理したりするだけじゃなく、気持ちの切り替えにも役立ってるかも。先のことを考えてると、自然に「やってやる!」ってモチベーションになるし......
って、実際のところ、まいにちの配信が楽しすぎて、いつのまにか忘れちゃってるだけかも?
イベントのその先にある幸せ
―長い活動期間のなかで印象深い思い出をあげるなら?
どれも印象深いですし、それぞれに思い出はあるんですけど、ひとつは「IRIAM×カラオケの鉄人 コラボルーム秋葉原」イベントかな。
IRIAMでも初開催で、それまでにないスタイルのイベントだったからインパクトがすごくて。しかも歌が好き、カラオケも大好き、これはもう走るしかないでしょ! ってなって。
イベント期間中は毎日歌枠と企画をやって、いろんなジャンルの歌にチャレンジしたし、企画でもやれることは全部やり尽くしました。そしたら思いもよらない応援をいただけて、4位に入賞できたんです。リスナーさんの数も、リスナーさんたちとの一体感もすごくて、栗音ココのつくった枠やコミュニティがここまで強くなったんだって、めちゃくちゃ手応えを感じました。
掲載されてすぐ実店舗に行ってみたら、部屋の壁にドドーンってでっかい自分がいて、イラストもいっぱい載っけてくれてて。「うわああああああ!!!!」ってめっちゃ興奮しましたね。
これまでのイベントとはまた違った感動や実感があったし、みんなもたくさん会いに行ってくれて。みんなと喜びを共有できて超ハッピーでした!
そんな手応えにも力をもらいながら、いちばん気合いを入れて、いちばん準備をして走ったのが「IRIAM×コンプティーク 雑誌モデル決定戦」です。前々から意識していたイベントだったし、誕生日や二周年も重なって、みんなにも「本気で1位をとりに行く!」って決意表明もして。
ココの熱量も最高潮だったけど、リスナーさんたちが過去最高に応援してくれて、22人ものライバー仲間がコラボ企画に協力してくれて、みんなの力で最後まで走り切りました。
結果は8位だったけど全然悔しくなくて。入賞できたし、4分の1ページに掲載もされて。リスナーさんとの強いつながりやライバー友だちとの固い絆も実感できて、われながらめっちゃライバーっぽいことできてるじゃんって(笑)。楽しいし、まだまだのびしろばっかだなって、むしろわくわくしてました。
長続きのコツ
―その「のびしろ」をいまなお伸ばし続けていらっしゃるココさんですが、長く続けるコツがあれば教えてください。
それよく聞かれるんですけど、ココの場合は「自分が楽しめる」ってことですね。楽しいことをやめたくはならないじゃないですか? ほんとそれです。だから無理をしない。やりたくないことはしない。合わないものはスッパリ諦める!
だからココの枠には、バッジ特典やお礼品制度がないんです。
みんなやってるし、ココも最初のころはやってたんですけどね。続けられなくてやめちゃったんです。個別対応って時間や手間がものすごくかかるし、管理するのも大変で。このために配信ができなくなるならやめちゃおうって。リスナーさんたちもいらないよって言ってくれて。
そのぶん、企画でお返ししてます。ガチャ企画を月に2、3回くらいはやっていて、多いときは一回で50種類以上のアイテムを用意することもあります。たとえば、これまでに作ったヘッダーやアイコンリング、壁紙から好きなものを選べる「復刻版シリーズ」とかはリスナーさんにも大人気で。みんな個々のスマホに「栗音ココ専用フォルダ」をつくってコレクションするくらい楽しんで集めてくれてます。
そうやって自分ができることを見つけて、定型化して効率よく続けられる自分に合ったスタイルを模索するのも、きっと長続きの秘訣ですね。
ランクキープのためにがんばりたい、そのためにファンの言うことは何でも聞くみたいな気持ちになるのも、ジレンマに陥るのもよくわかるけれど、いちばん大事にしなきゃなのは自分だからねって。それに嫌々やってる姿って周りも見ていて辛くなっちゃうし、自分が自分でなくなったらリスナーさんたちが迷ってしまうから。
自分の枠を築くのも、守るのも、ライバーの大事な使命であり責任だとココは思うので。そこでは自分がルールだし、ブレないこと。たとえ一部のリスナーさんに嫌われても、枠を守るためなら臆せず貫く。それで離れていってしまう人がいても仕方ないし、寂しくてもそこは諦める。また新たに出会う人と、前を向いて進む。それを大事にしています。
好きの無限ループ
―さらに今後の目標というと?
細かくは、雑誌コラボイベントでページ一面に大きく掲載されたいとか、えきポスでたくさんのリスナーさんと会いたいとか。イラストレーターとしてはほかの人のLive2Dを描くことにチャレンジしたいとか、配信やいろんなコンテンツを通じて「栗音ココ」という存在を知ってほしいとかいっぱいあるんですけど......究極は「ずっと配信を続けたい」かな。
基本家のなかで過ごすことが多いし、そうでなくてもなかなか外で人といっぱい話すこともないじゃないですか。いま人と話す機会のほとんどがIRIAMなので、配信を続けられなくなったらどうしようって、想像するのも怖いです。
それにIRIAMにはココの「大好き」がいっぱい詰まってるので。リスナーさんのことも事務所のことも、友だちを応援することも好き。配信が好きだし、配信で成長できてる自分も最高に好き! IRIAMがこの世にあるかぎりココは配信し続けます! 目標というか、もはや決意表明ですね(笑)。
―IRIAMへの温かい励ましとして、胸にしかと留め置きます。
それでは最後に、ライバーをめざそうとされている方にメッセージをいただけますか?
余計な無理をしないためにも、自分のキャパシティを理解しておくことが大事かなって。
そのうえで自分に合った楽しみ方を見つけてほしいんですけど、何をめざしてどう生きたいかはやっぱり人それぞれなので。ここでまとめてどうだって話ではないと思うので、もし何かに悩んだり困ったり相談したいことがあれば、個別講習で対応します!(笑)
初めてのリスナーさんたちも大歓迎なので、よかったら遊びに来てくださいねー!