がうがう、したい
―「龍神様」が配信を始められた経緯がとても気になります。きっかけを教えていただけますか。
配信を始めたのはIRIAMが最初で、まったくの未経験でした。ただ人間界のことはよく覗いていて、たくさんの人が配信を楽しんでることは知っていたし、興味もあって。
あと、がうはもともと日本のオタク文化が大好きで、アニメとかのコンテンツもそうですが、自分の好きなものをとことん追い求めたり、仲間とわいわい語って楽しんだりしてキラキラ輝いている世界をずっと憧れの目で見てたんです。
そんな「好き」があふれる人間界に降りて、がうもみんなと一緒にがうがうしたいなって思ったのがそもそものきっかけかな。
あ、「がうがうする」というのは「楽しく盛り上がる」とか「みんなでわいわいする」みたいな意味合いで、名前と合わせて「う〜っ!がうがう!いすゞがう!」って、がうの初見挨拶でも使ってます。
それで、IRIAMで配信を始めればそんな夢が叶う気がして。いろんな人と出会って、つながって、たくさんの方とがうがうする! がうの声や言葉を通してみんなに元気を届けたり、運気を上げたりすることができればいいな。まだまだ未熟な龍神だけれど、がんばってる人を応援したいなって思ったんです。
龍神様をのみこむ巨大な感動の波
―実際に降臨されたIRIAMの世界はいかがでした?
IRIAMはライバーさんもリスナーさんもひとりひとりの個性がいきいきと輝いていて、配信はそのひとりひとりと会話できるコミュニケーションなんだなって。お話を聞くだけでその人のストーリーまで感じとれるような〝距離感〟に驚きました。
実際に配信するとなったら会話以前にド緊張してしまって。ギャルってノリと勢いで行けそうなイメージがあるかもですが、人間界にも慣れてないし初めての配信だし、もう不安で震えが止まらなくて。そのうえ緊張するほど勢いでしゃべり続けてしまう持ち前のコミュ障が発動して、開始早々1時間もマシンガントークしてしまいました(笑)。
しかもその間、BGMや効果音を駆使していたつもりが機材をスマホにつなげることをすっかり忘れてて、自分にしか聞こえてないとか。
あと目標設定していたトップバナーチャレンジの参加対象期間中に配信を始めたい一心で5月31日にデビューしたのに、そのせいでせっかくとっていただいたファンバッジがたった一日で消えちゃうとか......ほんとありえないポカですよね。
でもありがたいことにたくさんの方が来てくださいました。枠回りで知り合った方やその日初めて出会った方......たとえばがうと名前が似ているということで遊びに来てくださった恐竜さんや場を盛り上げてくださったベテランリスナーさん。それに親友の蛇神様とか、いまでも仲良くさせていただいている大切な方々に見守られながら、ひとりひとりの方と会話を楽しむことができました。
とか言いながらコメントはもちろん、スターにギフトにキラコメ、弾幕すべてが初めてづくしでもう感情が追いつかなくて。巨大な波がものすごい勢いで何度も押し寄せてくるような感覚といえば伝わるかな? 最後まで圧倒されっぱなしでした。
それでも配信後、まだまだ熱気が冷めてないなか「ここから始まるんだ」って意識したのを覚えています。
何気ないまいにちを最高に楽しむ
―改めて意識されて、配信に対する向き合い方などに変化はありました?
トップバナーチャレンジまでに早くこの世界に慣れたくて、夕方から夜枠、翌朝5時から朝枠とか、空いてる時間はぜんぶ配信に使うって感じでした。お仕事で朝が早い方とか、5時でも当たり前に起きてらっしゃるリスナーさんがふらりと立ち寄ってくださるとか。おかげでたくさんの方と出会えました。
どんな配信だと楽しめるかをリスナーさんにヒアリングしながら、がうらしい企画をたくさん考えました。たとえばクイズ大会に大喜利、歌枠にイラスト企画、「しらすまんチャレンジ」では筋トレや激辛、レモン汁などの罰ゲームとか。がうはスクショが苦手なので、いつもとんでもないことになるんですけどね(笑)。
あと自分でも何か新しいことにチャレンジしたくて「弾き語り」を思いついたんですけど、言うほどピアノやギターが弾けるわけでもないし、すぐに上達というのも難しい。それで何とかひねり出した企画が「タンバリンをたたきながら歌う!」(笑)。全然かっこよくないんですけど、みんなはおもしろがってくれて。突拍子もないがうの発想や行動がみんなの笑顔の素になるってことがものすごく嬉しかったし、こういう配信がやりたかったんだって。
みんなで応援ポイントを上げるための企画ももちろん大事だけれど、何気ないまいにちをがうがうするための企画や工夫を大切にしたい。がうのポンコツぶりとかも含めてみんなががうの配信を楽しんで少しでも元気になってもらえたらなって思います。
ランキングイベントの洗礼と恩恵
―目標だったトップバナーチャレンジはいかがでしたか?
トップバナーチャレンジの前に初めて参加したイベントのお話をしてもいいですか?
デビューから一週間後、配信や企画の流れにも慣れたころに参加した「プチギフフェスタ~ご当地編:沖縄~」なのですが、ランキングイベントを走るのは初めてだったのでもう緊張で震えが止まらなくて。
当時は事務所も開設されたばかりでIRIAMや配信に関して特にノウハウがあるわけでもなかったし、まわりに相談できるような先輩ライバーさんもいなくて、すべて自分で経験して身につけていくしかないんですよね。
でもどう進めばいいかわからないし、一歩を踏み出す勇気も持てなくて。元気でパワフルなギャルキャラと違って、がうはほんとのところ小心者で臆病な龍神なんです。
そんながうの本質をすでに理解してくれていたリスナーさんたちが、いつもだったらポンコツをいじってみんなでがうがうするところ、イベントではがうの手を引いて、背中を押して、力強くリードしてくれました。
おかげでラスランまでの記憶がないくらい精一杯走り抜くことができて、3位入賞という驚きのご褒美までいただけました。
でも入賞以上に、一週間みんなとがんばれたという達成感が何より嬉しくて。そこから「いすゞの民」、これはリスナーさんの総称なのですが、いすゞの民たちといすゞの村を大きくしていこうって思いました!
同時に、ランキングイベントをこのタイミングで経験できてよかったなって。半端ない熱量の激戦になるトップバナーチャレンジへの不安や怖さが少し薄れて、現実的に向き合う覚悟ができた気がします。
それでトップバナーチャレンジでは10位以内を目標にしたのですが、相変わらず小心者のがうは緊張のあまり普段の食事がのどを通らず、期間中のエネルギー源はお酒とどん兵衛。おかげで激ヤセしちゃいました(笑)。
全日震えっぱなしだったけれど、絶対に最後まで走りきってやる! って思ってたし、同じ気持ちでいてくれたいすゞの民の応援や団結力がものすごくて、6位まで連れていってもらえました。
がう自身は反省点だらけで悔しい気持ちはあったけれど、それ以上の「ありがとう」でいっぱいだったし、前回イベントから確実にステップアップしてるのもわかって大満足でした!
Sランクは一日にして成らず
―そこから一気にギアが上がった感じでしょうか?
イベント経歴だけを追うと順調に華々しく勝ち続けているように見えがちなのですが、現実はそんなに甘くないし、いまだに余裕は1ミリもないです。
イベントで勝つために何が足りなくてどう動けばいいかわからなかったし、実際にトップバナーチャレンジ直後に参加した「オリジナル背景を作ろう」では入賞できませんでした。
熱量だけではどうにもならないって自分の無力さを痛感してますます自信が持てなくなったし、しばらくは達成型イベントばかり選んでました。心にはずっと「逃げてる自分」への負い目があって、続々と新しいライバーさんがデビューするなかこのままだと民が離れてっちゃうんじゃないかって焦燥感にも駆られてました。でも悩んでるだけじゃどうにもならないし、こんな神じゃ民にも申し訳なくて。気持ちを切り替えてがんばんなきゃって。
そしたら民が「一緒にSランク帯をめざそうよ!」ってまた背中を押してくれたんです。一歩踏み出す勇気をもらえた気がしたし、それが分岐点になりました。
龍神としてより高みをめざそうと決めて、ランクキープや応援ポイントについていろんな情報を調べて研究したり、目標のイベントに対してどう動いてどうスケジュールを立てるか細かく計画したり。
そうそう配信サムネイルも工夫しました! 「注目」に上がるライバーさんたちのサムネを見て研究して、より目立たせるデザインやメッセージを考えては結果と照らし合わせて。とにかく自分で経験して学ぶしかないので、もう体当たりですよね。
配信で気づいた変化とか民ひとりひとりからもらった言葉とか、記憶に刻みたい大切な出来事とか、まいにちノートにメモして。がうは忘れっぽいのでこまめに見返すようにもしています。もう3冊目になるかな?
とにかくひとつひとつ積み上げて、たくさんの失敗と成功体験を泥臭く繰り返しながら、全力で死守に挑んでいるS3ランクなんです。
コツコツと 確実に
―イベント入賞歴やS3ランク維持の行間にはいろんな思いや日々の努力がぎっしり詰まっていたのですね。
IRIAMにはすてきなライバーさんがたくさんいて、みなさん努力もされているので。まだまだ修行不足のがうが同じ土俵に立つだけじゃなくイベントで入賞をめざすなら、そこに合わせて積み上げていかなきゃなんです。スポーツの大会なんかと同じで、本番に向けて練習して、鍛えて、気持ちやコンディションを整えていかないと勝てないし、その〝自主練〟での積み上げや手ごたえがないとがうはきっと不安でスタートラインにも立てないから。
がうにできるのは、まいにちを充実させることだけで。ありのままのキャラだからといって、普段の生活の延長で雑に過ごせばいいってわけじゃないし、どんな一日も無駄に過ごしちゃダメ。まいにち何かしらの意味を持たせる! 勝つための秘策といったら、ほんとこれだけなんです。
大げさな話じゃなくて。きょうはあの人の好きな歌がわかった、ってそれだけでいいんです。忙しいなか来てくださる民に少しでも歩み寄りたい。ひとりひとりが見えるIRIAMだからこそ、小さな変化も逃さず発見したいし、感じ取れる自分でいたいなって。
それでも民との距離が広がってしまうことはあるし、どうしようもないことだってわかってる。わかっているけれど、相当へこんじゃう(笑)。何なら月末にファンバッジがリセットされる瞬間だっていまだに毎回胸が痛くて泣きそうになりますもん。
でもそういった感情を表に出しても何もいいことはないから。みんなの元気や士気が下げないよう、そこは顔に出さずに踏ん張ってます!
あ、でもまれに一部の民の前では本来の弱虫が出てしまってつい泣き言をこぼしちゃうことも......そこそこあるかな(笑)。そんなのもひっくるめて民にはお世話になりっぱなしだな~。
奇跡をくれる民
―いすゞの村のすてきな関係性が伝わってきます。「IRIAM Birthday」をはじめ、数々のイベントも一緒に〝自主練〟されながらひとつひとつ積み上げてこられたのでしょうね。
民のおかげでいつも本当にすごい景色を見せてもらってます。
「IRIAM Birthday」も、がう自身は二年連続で参加するなんて思ってもなくて。一年目の奇跡だけで最高に満たされてたのに、民たちが「二年連続で狙える人なんてほんの一握りしかいない。目の前にあるチャンスを逃しちゃだめだよ」って、またまた背中を押してくれたんです。そんなこと自体がもう奇跡ですよね。いま思い出しても泣いちゃいそう。
でも出るって決めてからイベント本番まで、まるで生きた心地がしなくてもうガクブル状態でした!
あと広告掲出のイベントは都内が多いので、民たちの住んでいるエリアの「えきポス!」に参加して、がうがみんなに会いに行くようにしてます。みんなに喜んでもらいたいし、がうが現地を訪れることで民たちをもっと理解したいから。みんなが住んでいる街を巡って、いろんな景色やすてきなものに触れて、みんなのことをもっともっと理解したくて。たとえば名古屋なら荘厳な熱田神宮やイルカの巨大プールに感動した名古屋港水族館、仙台だとひょうたん揚げや牛タンとか。もちろん地酒も♪
がうに似て日本酒好きの民が多いので、「IRIAM×南部美人 日本酒PRコンテスト」はいつも以上にテンション高めでした。そんな感じでいろんなイベントの楽しみ方があっていいと思うし、これからもいすゞの村らしくがうがう盛り上がりまくります!。
目の前の人と仲良くなろう!
―最後に今後の目標と、ライバーをめざそうとされている方へのメッセージをいただけますか。
民たちがここまで連れてきてくれた、その想いや支えに全力で応えたい。民たちの龍神様は立派な神様なんだって、胸を張って誇ってもらえるようになりたい。そこを全力でめざします!
あといすゞの民を増やして住みやすい村づくりを進めたり、がうにゆかりのある「江の島」にイベントや企画などで何らかつながりをもって、いつか聖地化したりできたらいいなとか。夢はたくさんあります。
これから配信を始められるライバーさんも、いきなりイベントで勝つことや上をめざすとかではなく、まずはリスナーさんと仲良くなって自分の土台を築くことをおすすめします。
たとえばリアルでも学校に入学したらまず友だちを作って、先生や先輩方からいろいろ教わって、ひとつひとつ体験しながら新生活になじんでいくじゃないですか。配信も同じで、人と人とのつきあいや心のつながりを大切にして、たくさん話して、楽しくなじんでいってもらえたらなって思います。
もしうまくいかないことがあっても、タイミングや何かのきっかけで状況が変わることだってあるし。自分の可能性を自分でつぶさず、悪いように考えず、真面目に、誠実に、リスナーさんのことを想って、あきらめずに歩き続けてみてください。きっとがうがうできる日がくるから。だいじょうぶ!