INTERVIEW


まこねぇMakonee

サックスで音大を卒業した清楚なみんなのお姉さん。永遠の24歳(周回中)。雑談をはじめ歌枠やサックス演奏枠ほか、さまざまな企画とともにまいにち配信中。IRIAMデビューは2022年5月。

大人の心地よさに軽妙なトーク、年齢不問の世界で「周回中」と公言する潔さとおちゃめさ。緩急自在なまこねぇの配信は、彼女が得意とするサックス演奏そのものだ。
ときには艶やかに、ときにはしっとりやさしく。ハイテンポなアドリブとともに、聴く人が最高に楽しめるステージを繰り広げては魅了する。
その陰には声帯や口の形、息のコントロールに楽器の微調整と、状況に合わせて吹き分ける細かな配慮と努力の積み重ねがあるのだが、彼女はきっとうそぶくことだろう。そんなプロ意識にこそ最大の喝采を。

配信は在宅ワーク!?

―配信を始められたきっかけから伺えますか?

アルバイト先が廃業して次の勤め先を探していたとき、たまたま見た求人サイトで「ライバー」が仕事のひとつとして紹介されていたんです。私自身はYouTubeを見るくらいでライバーがどういうものかまではよくわかっていなかったのですが、関西人だからかしゃべるのは苦手じゃないし、在宅でできるとあって興味をそそられました。

そこから本来のバイト探し目的とは別に、ライバーについて調べ始めて、スマホで手軽に配信できるアプリがあることを知って。さらに顔出しなしで収益化も望めて、誰とも被らないオリジナルのかわいいイラストで配信できるIRIAMをインストールしました。
続けて操作しながら、商用利用可能なフリー素材をベースにして配信するのに必要なイラストを10分ほどで作って。試しに配信ボタンを押してみたというのが私の初配信になります。

だからイルミナリーに掲載されている皆さんのような華々しいデビューでもなければ、まったくのぶっつけ本番というか、配信に関する知識や必要環境すら整っていませんでした。気持ちの上でもしっかり準備して臨むといった堅苦しさはなく、来てくれた方と気楽におしゃべりできたらいいなと。そんなラフな感じのスタートでしたね。

バリバリの初配信

―たとえ準備を重ねていてもデビュー時は緊張しがちなものですが、まこねぇさんの場合はいかがでした?

枠のなかで伝説として語られるくらい、本当にひどいものでした。私の配信に気づいたリスナーさんが来てくれたのですが、開口一番「何と言っているのかわからない」と言われてしまって。「マイクが入ってないということ?」「バリバリ言ってます」「回線のせいかな?」なんて調子で気づけば1時間半。初日はそのやりとりだけで終わりました。

数日後、スマホを変えてようやく状況が改善したのを機に、配信にくわしい先輩方にもレクチャーを受けながら徐々に慣れていって、ライバーとして活動する意思を固めていった感じですね。

ただ自分がどういうライバーになりたいのか、どういう方向性で活動するのかまではなかなか決めきれなくて。まずはいろんな枠を回って多種多様な配信スタイルを勉強させていただくと同時に、自分だったらこんな感じかなと考えたり、リスナーさんに相談したりしながら少しずつ形にしていきました。

あと配信すれば当たり前にリスナーさんが来てくれるわけではないこと。興味を持って来てくれるかどうか、ずっと留まってくれるかどうかは自分次第であることも痛感していたので、初見さんへの接し方やサムネイルなども細かく工夫するようになりました。

自分に足りないもの

―自分らしい配信へのこだわりですね。企画などにも独自の工夫をされました?

きっかけはトップバナーチャレンジです。それまではみんなと楽しくおしゃべりができればいいというスタンスでしたが、イベントに参加するなら一週間分の企画をしっかり立てよう。できるかぎりほかと被らない独自企画にしようと、リスナーさんたちと相談しながらあれこれ考えました。

たとえばプチギフトの「プチ」にかけて、プチギフト1個につき、ブルボン・プチシリーズのお菓子1個を食べるという企画。おなかが一杯になって食べられなくなったら私の負けで、貸しひとつ。小さいから余裕で食べられそうに思われるかもしれませんが、さすがに8袋を超えてくると......結果なかなかの貸し記録となりました(笑)。
あと「ラスランでギフ禁」とか。禁止しているにもかかわらずギフトを贈ってくる人がいたら私がブチギレする。リスナーはおもしろがって私をキレさせようとする。お互いの駆け引きを楽しむという企画です。
どちらもすごく盛り上がって、みんなも楽しんでくれて。そこではじめて企画枠の楽しさを実感しました。

それでも結果は50位。できることをやりきって、これだけみんなで盛り上がってもまるで及ばないなんて、上位入賞者といったい何が違って何が足りないのかと、いろいろ考えるきっかけになりました。

―打開策はすぐ見つかりました?

リスナーさんとも相談しながらみんなで考えたのですが、結論は出ませんでした。
それでまずできることとしてコミュニティランクを上げていこうと、直近のオリジナルプチギフトのイベントに出たんです。

期間中ずっと3位でつけていて、このまま入賞できると思った矢先にゴール直前で逆転されて4位。それだけでも心が折れそうななか、リスナーさんに「勝たせてあげられなくてごめんね」と言われたのが何よりショックで。私自身が至らなかった、もっとできることがたくさんあるのに、リスナーさんに謝らせてしまったことをとことん反省しました。

そこから本腰を入れて自分の配信と向き合って、足りないものを探しました。まずリスナー数が圧倒的に少ないことと、今回に関しては思いつきで参加するなどあきらかに準備不足であったこと。あとは気になる枠を回って企画力やトーク、枠の演出などを徹底的に勉強させてもらったり、その流れでライバーさんやリスナーさんと仲良くさせてもらったりしながら、自身のアップデートや人脈づくりに努めました。

あと忘れちゃいけないのが、頼れる「軍師」に恵まれたこと。デビュー前からのネット友だちで、計算が得意なんです。リスナーとしても配信を楽しんでくれたりギフトを贈ってくれたりしているのですが、ライバー活動に関していつも的確なアドバイスをくれる。私の足りない部分を見事に埋めてくれる心強い相談相手で、その存在があることでめざす方向に迷いなく進めている感じです。

車中からの配信でまさかの○○

―まこねぇさんといえばサックスなど、そもそも独自の強みがありそうですが。

サックスもそうですが、音大出身なので人並みには歌えると信じて、あるとき配信で「歌枠」をやってみたんです。そしたら歌っている間、スターもコメントもピタッと止まってしまって「ここまで盛り上がらないものなのか?」とびっくりしました。これはやめた方がいいかとリスナーさんたちに聞いたところ「思わず聞き入ってしまった」との回答でほっとしました。

それでもいちばん自信のあるサックスや歌で盛り上がらないのは精神的にダメージが大きく、耐えかねてつい先日「お願いだから盛り上がって!」とおねだりしてしまいました(笑)。

ただ、いずれにせよIRIAMでの配信のメインはやっぱりコミュニケーションだと思うし、何よりおしゃべりが基本かなと。もちろん歌枠や演奏枠も大事だし、ラジオ番組のようにトークの合間で一曲挟むとか、週末であれば家族が外出して音も出しやすいのでまとまった時間演奏するとか、バランスよく組み込むようしています。

―ご家族の話が出ましたが、まこねぇさんが配信されていることは皆さんご存じなのですね?

何気なくはじめた配信だったし、続くかどうかもわからなかったので当初は話してなかったんです。だからアルバイト帰りに駐車できそうな場所を見つけて、晩ごはんの時間まで車中から配信してました。車だとカーステレオでBGMを流せるし、大きな音も出しやすいんですよね。でも深夜に何度も車を出すのもはばかられるし、夏の猛暑にはエアコンも無力だしガソリン代もかさむ。それでどうしようもなくなって家族に相談しました。

反応はそれぞれで、家族その1は私が自分の知らない人たちと仲良くしゃべっていることや遅い時間の配信には100%賛同できないけれど、許可はするし応援する。家族その2は即OK。応援ばかりか自身がライバーデビューして、たまに一緒に配信することもあるんですよ。

それで晴れて自宅配信となったのですが、つい先日久しぶりに車中から配信をしていたら、すっと前に1台のパトカーが止まって。あれ、特に駐車しても大丈夫な場所なのに何だろうと思っていたら、いわゆる「職質」でした(笑)。配信中だったので慌ててミュートして、おまわりさんにいまの状況を必死で説明して理解してもらったのですが、きっと怪しく見えたんでしょうね。なかなかない経験でした。

みんなの力

―それはまたすごい体験でしたね(笑)。そういったハプニングとは別で、心に残ったイベントというと?

印象深いのはさっき話したオリジナルプチギフトイベントでの敗退ですが、結果にかかわらず、どのイベントにも毎回ドラマはあります。Birthdayイベントではみんなから寄せ書きをもらえて感動しました。

あと、普段私は特に順位にはこだわっていないというか、入賞さえできれば嬉しいという考えでいるのですが、一度だけ、1位にこだわったイベントがありました。私の口から初めて、ほんと唯一ですね。リスナーのみんなに「どうしても勝ちたい」と伝えた、とても思い出深いイベントです。

本音を言えばどのイベントでも勝ちたいですし、ガチで走るイベントに関しては当然入賞をめざしますよ? でもそのイベントではリスナーさんはもちろんのこと、仲良くなったライバーさんたちまでもがそれぞれの配信の合間を縫って顔を出してくれたり、Twitterなどでもたくさんの人が応援してくれたり、とにかく〝みんなの力〟で押し上げてもらっているのをいつも以上にヒシヒシと感じました。

それで応援してくれるみんなの想いを無駄にしたくない。みんなとの総合力で絶対に勝つんだという気持ちが沸き上がってきて、競り合っていたライバーさんたちにも初めて強いライバル心が芽生えたくらい、誰にも負けたくないと思ったんです。リスナーさんたちも「普段そんなことを言わないまこねぇの想いに応えたい」と、最後まで一緒に走り抜いてくれました。結果、ほんとに総合力で1位をとれてめちゃくちゃ嬉しかったですし、ライバーとしての手応えというか、大きく成長させてもらったと感じています。

かくれんぼの鬼が
強すぎるのだが

―チームの一体感が見えるようです。リスナーさんたちもまこねぇさんはリスナーファーストだと言われていて、良い関係性を築かれているのだなと。

配信、特にIRIAMはコミュニケーションありきだと思うし、私はリスナーさんとの会話がすべての基本だと考えています。なのでギフトありきの企画ではなく、自分がリスナーだったらこういうのが楽しいと思えるような配信や企画になるよう常に心がけています。

そのなかでも、うちの枠で毎月1日に開催している「かくれんぼ大会」という企画はみんなにも好評で、コミュニティが育っていることを毎回実感させてもくれます。
どういう企画かというと、まずリスナーさんにその日だけ、名前やアイコンを普段とは違う、そのときのテーマに沿ったものに変えてもらいます。1日だとファンバッジによる区別もできないから、完全に誰が誰だかわからない状態になるんですね。

そのうえで私がみんなにランダムな質問をして、それぞれ回答してもらう。コメントを見ながら誰なのかを当てていくというゲームです。正解したら名前とアイコンをいつものに戻してもらって、全員クリアしたら終了なのですが、これが意外とわかるもので。コメント内容を見なくても、コメントするタイミングや気配とか、早い人だと入室時間で判明するなど、どんどん精度が上がってきています。

それに企画を通してお互いの距離感がつかめるというか、リスナーさんにも自分が思った以上に認識されているとわかってもらえる。楽しみながら絆を実感できる、いまや欠かせない定番イベントですね。

思いやりある
コミュニケーションを

―とても楽しそうですし、まこねぇさんのコミュニティづくりの秘訣を教わった気がします。
それでは最後にこれからライバーになろうとされている方にメッセージをいただけますか。

メッセージというよりは私自身の方針というか、こだわりではあるのですが、無理をせず長く推してもらえるライバーでいたいなと。コミュニティランクやイベントで勝ちたいという思いや前向きな姿勢も大事ですし、実際に私もリスナーさんの想いや応援をもらって必死で走り抜くこともあります。けれどやってみて、たとえ目標に届かなかったとしてもリスナーさんが楽しめる配信ができているならそれだけで十分。決して自分をあきらめろという話ではなく、ほどよく身の丈に合った配信でリスナーさんと少しでも長く一緒に過ごせれば本望じゃない? ってことです。

もちろんこれは私の主観でしかないですし、それぞれの枠のあり方や事情による話だとも思われますが、決してリスナーさんを置き去りにしないということ。周りを見ないで「これがやりたい!」「勝つために協力して」とただ一方的に主張するのはなく、リスナーさんの気持ちを考えること。リスナーさんにも「ギフト投げたら何してくれるの?」という見返りありきのスタンスではなく、本当に応援したい瞬間やライバーの想いと共感できたタイミングで無理のないギフトを贈るという、本来自然なかたちというのかな。いろんな駆け引きでピリピリすることなく、ライバーもリスナーも等身大の感覚で、お互いを思いやる気持ちが持てればいいよねってことですかね。

IRIAMのメリットはリアルでも実現しないような距離の近さだと思っていて、それぞれが最適な距離感を探しながら楽しむアプリなんじゃないかなと。ただもちろん急に距離を詰めちゃったり無理に近づきすぎたりするとトラブルを招きかねないけれど、いろんな経験を重ねながら続けていればいつしかお互い心地よい距離感がきっとつかめるから。あせらなくても大丈夫ですよ。

私もリスナーさんたちと一緒にいちばん良い距離感を探しながら、音楽枠ではもう少し派手に盛り上がってもらえるようがんばりたいと思います(笑)。
スターや弾幕による応援などもぜひぜひよろしくお願いしまーっす♪

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