INTERVIEW


深青白夜Shinjo Byakuya

声優やアニメ、歌うことが大好きな社畜<系>おしゃべりライバー。声に大人の色気が漂う、頼れるお兄さん。IRIAMデビューは2022年9月。雑談や歌枠、弾丸トーク気味の「オタクに刺さる枠」で楽しくまいにち配信中。

深青白夜の真価を数行で要約するのは至難の業だ。ここは奥の手を使おう。
ネットで「仕事ができる人」「信頼される上司」、そして何より「人たらし」を検索してみてほしい。ヒットした数々の特徴を兼ね備え、持ち前の魅力と懐の深さで皆を引きつけては自然と巻き込み、いつしか100%有言実行を果たす人――なのである。
そんな彼の決してブレない強靭な軸は、オタクの胸にとどまらず、出会ったすべての人の心に熱く、やさしく突き刺さるに違いない。

白夜のはじまり

―まずは配信を始められたきっかけから伺えますか?

オタ活やライブ遠征がしづらくなった時期に、少し時間を持て余してしまって。友だちに「何かおもしろいことない?」って相談したら「モノづくりとか物語を書いてみるとか。あと配信なんかも趣味として無限に時間を使えるよ」ってアドバイスをくれたんです。
それなら僕はしゃべるのが好きだし、配信でもやってみるかとたまたま目についたアプリをダウンロードして、いろいろセットアップしていく流れでふと配信ボタンを押したのが最初といえば最初ですね。

何の準備もなく始めて、たまたま来てくれた人にアプリの使い方を教えてもらいながらおしゃべりしてた感じで、配信をしているという実感はなかったです。その後もどちらかというとコミュニケーションツールの一環というか、リアルで人と話す機会が減ったぶんアプリで会話を楽しんでる感覚でしたね。

それでも続けているうちに応援してくれるリスナーさんが増えてきたのと、イベントで活躍しているライバーさんが身近にいたことで、徐々に自分もライバーとしての活動を意識し始めて。それでイベントにも参加するようになってしばらく経ったころ、お誘いをいただいてIRIAMに来たって感じです。

それまでIRIAMには一度だけ、知り合いが配信を始めるというので見に行った程度だったので、改めて見たときのIRIAMのインパクトは鮮明に覚えています。

「自分には無理」からの脱却

―IRIAMで配信するとなって、改めてご覧になったときの印象を聞かせてください。

ライバーさんたちの意識が高いなと。前のアプリと同様にリスナーさんとの距離も近いし、フランクな関係であることには違いないのだけれど、両者には確固たる線引きがあって。ライバーが主体となって配信をけん引している、その表現者としての〝あり方〟に圧倒されました。

これはついていけないかもと一瞬ひるみもしたのですが、もともと高いコミュニティランクを狙って上をめざすスタイルでもないだろう。まずはこれまでの経験を最大限生かして、少しでも多くの人に自分のことを知ってもらえれば十分だくらいの気持ちでチャレンジしようと考えたんです。

それから初配信までの1、2カ月でいろんな枠を見て回りました。どの配信も普通にリスナーとしてめちゃくちゃ楽しくて、ライバーさんのすごさに感動して、すっかりファンになって。同時に、自分もこういう枠にしたいな、こんな風にしゃべってみたいなって、一気に配信へのモチベーションが高まりました。

あと初配信までに注力したのはフォロワーの獲得ですね。これについては、意識して同じ時期にデビューを迎える人とフォローしあいながらクリアしていきました。みんな抱えている課題は同じだし、お互い支え合う感覚で。当時のこのつながりのおかげで仲良くなれて、ずっといいライバル関係にいる人なんかも多いんですよ。

これでいいんだ これがいいんだ

―当初自信がなかったとのお話は意外でしたが、配信自体には慣れていらっしゃるし、順調なすべり出しではあったことかと。

配信でしゃべることには慣れていても、初配信となるとやはり緊張しました。それこそ以前の活動を知っている人には期待があるだろうし、いろいろ準備も重ねてきただけに気合いを入れてリスタートだ! って。
でもいざ始めてみたらなんか違う。意気込んで何かをやってるより、いつもどおりの弾丸オタクトークがいちばん喜んでもらえて。あ、これでいいんだって、ふっと肩の力も抜けて、やっぱり配信って楽しい、大好きだってしみじみ実感した一日でした。

さらにモチベーションが高まったのは、IRIAMとは別のイベントでリツイート数を競う企画に参加したとき。同期のライバーと接戦になって、自分とはキャラも配信スタイルもまるで違うタイプなんだけどお互いとにかく負けらんないって気持ちで、できることを必死にやってました。

日々の成果を通して自身の取り組み方やキャラの生かし方を見直せたのはもちろん、勝ちたいっていう想いを周りに明確に伝えることがいかに大切かを痛感しました。それに企画をきっかけに新しい人が配信に来て応援してくれたり、これまであまりコミュニケーションがとれていなかったリスナーさんたちと親しくなれたり。結果論ではありますが、ライバーとして必要なことを学べて成長できた良い機会になりました。

転機

―いろんな経験を通してライバーとしてめざすところがより明確になっていった感じでしょうか。

あと、自分が目標とするライバーがいるってすごく大事なことだと思っていて。僕にも憧れであり推しであり、この人に少しでも近づきたいというライバーさんがいるんです。しゃべりがめちゃくちゃ上手で、リスナーさんとの対話もうまい。とにかく毎日のように通って、自分もこんな感じでやりたい。いつか追いついて並んでみたいって常にどこかで意識しながら活動してました。

初配信前はいろんな人の枠を回ったけれど、その後はこの人のやり方をお手本にしたほうがいい、自分の配信に生きると確信した枠だけに絞って通い詰める。もちろん見たものをただまねるとかではないです。まねできたところで自分のリスナーさんが求めるものでなければ何の意味もないですし、あくまでもロールモデルとして、そこをめざして自分のモチベーションを引き上げていく感じでしょうか。

それと、転機といえばやはりトップバナーチャレンジですね。
もともと上位を狙っていたわけでも、狙えるものでもないと思っていたのが7位に入賞できました。初日からまさかの盛り上がりで、あれ、いけちゃう? なんて。リスナーさんたちの想像以上の応援に勢いをもらって、最後までみんなと一緒に楽しめたんですよね。
そのとき、みんなとなら自分が憧れているあの場所まで、もしかするともっと先まで行けるんじゃないかって思えてきた。

そこからライバーとしての自信というか自覚が生まれて、自分が決めたことややりたいことはブレさせないし、諦めずに全部やる。リスナーさんにもちゃんと伝えて、こいつならきっとやると最後まで信じて応援してもらえるライバーであるよう常に心がけています。

最高の理解者がいるという強み

―よく聞かれるトップバナーチャレンジ後の〝燃え尽き症候群〟のようなものは?

先輩たちから「トップバナーチャレンジ後はルーキーとして注目される期間が終わって、見に来てくれる人数も含めて一気に落ち着いてしまう」と繰り返し聞いていたのでだいじょうぶでした。それにしばらくすると戻ってきてくれる人も多くて、思ったより平気でしたね。

でもほんとトップバナーチャレンジはお祭りですから、みんないろんなお祭りに行きたくなるし、行って楽しむものだとも思います。ただお祭りが終わった後もふとしたときに「あいつ、その後どうなってるかな」って気になって戻ってきてくれることがある。
だからこそ、トップバナーチャレンジで一緒にがんばる体験や、自分はこういうライバーなんだってしっかり印象づけること、何よりお祭りが終わった後も変わらずに配信を続けることに意味があると思うんです。

僕のリスナーさんたちは僕のことを僕以上に理解してくれている人が多いし、そういう人たちにずっと支えられています。
僕が毎日ひたすらしゃべり続けているのをやさしい目で見守りつつ、一方で「この日にこれをやりたい!」って宣言したものには忠実に、何なら先回りして動いてくれるような人が多いんです。だからランクキープに関しても阿吽(あうん)の呼吸でギフトを贈ってくれたり控えたり、ありがたいことにいつも計画どおりに進められているという。僕のいちばんの強みはリスナーさんに恵まれていることだと常々思っています。

僕の尊敬しているライバーさんたちにも、必ずといっていいほどそういったリスナーさん......最高の理解者であり頼れるマネージャーであり心強い同士であり、何でも話せる心の拠りどころみたいな存在があるように思います。

この手で夢をつかんだ日

―まさにコミュニティ力ですね。

その力に背中を押してもらい、最大の結果を残せたイベントが「IRIAM×アニメージュ 雑誌モデル決定戦」です。
あの『アニメージュ』に、自分がもともと大好きなモノや憧れていた人たちと一緒に掲載されるなんて、アニメオタクとしてどれほど尊いことかをリスナーさんもよく理解してくれていて。ほんとにここでがんばるからと宣言して、2、3カ月前から準備を始めて、いろんな企画を考えて臨みました。

といっても、特別な飛び道具みたいな企画を組んだとかではなく、日々配信しているなかでリスナーさんたちの反応が良かった枠やふとしたやりとりなんかを覚えておいて、それらをバージョンアップして企画化してった感じです。見た目の派手さよりも確実性。どんなに人気の企画でも自分のリスナーさんに刺さんなきゃ意味がないので。

結果、ライバルは皆本当にすごい方ばかりだったけれど2位入賞! 超えられるんだ! みんなと一緒ならこんなに上をめざせるんだと確信できた瞬間でした。

―改めておめでとうございます! と同時に、社畜<系>ライバーの白夜さんが大きなイベントで走られるのには困難も多いのかなと。そのあたりはどのようにクリアされているのですか?

ひとつは職場がシフト制で、自分がチームのスケジュールを立てられるポジションにあることが大きいですね。周りにもざっくりですが自分がこういう活動していることは伝えていて、事前の計画に合わせて「ここはがんばりたいから休ませてもらうね」って。
もちろん職場のみんなの推し活も全力サポートしますよ。おまえらのオタ遠征日は絶対俺が確保してやる! くらいの気合いで取り組んでます(笑)。

ボーダーレス
~オタクの理想郷をつくる~

―職場のコミュニティ力も高そうですね(笑)。白夜さんのチームづくりの手腕がなせる業というのか、この人についていこうとなる。

細々と計算して、じっくり計画を立てて、結果からいろいろ見直すというフローを地道に繰り返しているだけですけどね。よく誤解されるんですけど、AとかSランク帯などにいれば自動的に日々大きなギフトが飛び交うなんてうまい話はないですからね。ギフトをもらえて当たり前なんて状況は誰にもない、はず、です(笑)。だからこそみんな必死に考えて、できることをやって、成功体験をもとに自分なりの突破法を見つけていくんです。

逆にそれはいま自分がどんなランク帯にいようが誰でも上をめざせるってことだから。あまり偏見を持たず、ランクを問わず自分が気になるライバーさんの枠を見て、いろいろ勉強させてもらっていいと思います。枠だけじゃなく、Twitterでどういう告知をしているか、どんなイベント管理をしているかとか。こういうところがうまいな、ここは取り入れたいな、こういうとこが人気なんだろうなって、気づくことは多いし、困っていることをクリアにしてくれるきっかけにもなると思うから。
僕の枠もランク帯関係なく楽しめるし、楽しませるって思っているので、どんどん遊びに来てください!

あと僕の枠、オタクにやさしい枠だと言ってもらえてるんですね。僕自身も根っからのオタクだし、みんなも堂々自分のオタクをさらけだせる場所。何オタクだっていい、人に迷惑さえかけなければOK。みんなの好きなものを全力で共有していこうぜ、みんなで楽しもうぜってノリでやってます。
僕、オタクする人を見るのも好きなんですよね。好きなものを語る人って輝いているじゃないですか。聴いていて「え、そんなのあるの? 調べていい? 見てみるわ!」とか「私もそれ好き!」とか、リスナーさん同士で言っているのを見てほっこりするとか(笑)。

僕も前のめりで話を拾うし、広げるし、良ければ布教もしながら楽しませてもらう。だからみんなもオタクとしてもっともっと輝いていいんだぜって枠を強化維持しながら拡大していきたいですね。

NO NO LIFE

―最後にこれからの目標と、ライバーになろうとされている方へのメッセージをいただけますか。

目先の目標であれば、雑誌モデルイベントで1位をとってでっかく載るとか、オリソンイベントに出てオリジナル楽曲をつくるとか、たくさんあります。ただ僕、何があっても配信はやめられないだろうなってくらい配信が大好きなので、目標や結果がどうあれ配信だけはやめられない。仕事が超絶忙しくて追い詰められたときでも、しゃべれなくなることを思うとそっちのほうが怖くてがんばれるくらいだし、僕の枠を見ないと一日が始まらないし終わらないと言ってくれる人たちもいる。配信のある毎日を大事に楽しみ続けたいです。

これから配信を始めようとしている人に伝えたいことは、IRIAMならいつ始めても遅すぎることはないってこと。年齢や生活環境を問わず、やりたいことに挑戦できるってこと。僕みたいに仕事が忙しい社会人でも楽しみ方はあるので。だから自分でブレーキをかけないでほしい。世間の常識や前例を見て、勝手に自分の限界を決めつけないこと。もし厳しい状況であっても、必死にがんばってる姿を見てくれてる人はきっといるし、すごいって言ってくれる人がいればもっとがんばれる。がんばってよかったと思える瞬間があるから、自ら諦めないでほしいなって。

そして一度始めたなら、ぜひ楽しんでほしい。楽しくなさそうだと見ている側も応援したくならないから。おもいきり楽しみながら、こういうことやりたいんだって信念をリスナーさんに伝えること。それができると達成感につながってやる気も出る。長続きするコツですね。
もし続けていて疲れてきたら、自分が何のためにやっているのか一度振り返ってみるのもいいですよ。初心に返るってやつで、意外と見えてくるものが多いから。

僕自身もきょういろいろお話ししながらこれまでの活動を整理できたし、やりたいことや大切なものが見えてきた気がします。ありがとうございました!

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