INTERVIEW


茶ノ間みらいChanoma Mirai

ホッと一息つけるような居心地のよい配信で来た人を癒す、お茶の間の案内人兼ラブレターを届ける郵便屋さん。音痴だけれど歌は大好きで、声の演技力を生かした即興セリフなどでも楽しませる。2021年7月デビュー。まいにち22時から定時配信中。

何をするにも勇気が持てなかった少女は、演技を学び、配信を通じて褒められ、さらに好きなことを極めながら「茶ノ間みらい」として広く認められることで変わっていく。
そしてデビューからずっとまいにち配信を続けているという事実が彼女を一層強くする。継続は力なり。何があっても諦めず、自分を信じて続けること。「茶ノ間みらいならできる」という絶対的信頼が彼女を支え、いつしか誇れる才能=illuminaryとして光輝く。迷わず一歩を踏み出し続ける彼女の進化は止まらない。

好きと得意が生きる場所

―まずは配信をはじめられたきっかけからお伺いできますか?

もともとは配信どころか、人前で声を出すのも苦手なくらい引っ込み思案で、何か行動したくても勇気が出ない、消極的な子どもでした。それが高校時代、演劇部に入って声の出し方や演技を学んだことで、人前で話すことにも慣れてきて、少しずつですが自信もついてきました。

そのころ友だちの間で音声を投稿するアプリがはやって、みらいも演技の練習を兼ねてセリフなどの声を投稿して楽しんでました。投稿を聴いた人がレビューで褒めてくださるのが嬉しかったし、それが自信につながって。もっと演技を学んで声優をめざしたい気持ちもあったのですが、家族に反対されちゃって。それで栄養士になるための専門学校に通うことにしました。

でもどこか諦めきれなくて、その後もTwitterでボイス投稿を続けていたんです。ありがたくもたくさんの事務所から勧誘いただいたのですが、正直、当時はVの世界にあまり興味がなくて、どういうものかも知らなかったんです。

それがいまの事務所さんと出会って、いろんなお話を伺ううちにどんどん興味がわいてきて。はじめて触れたIRIAMの配信も想像以上の楽しさで、ここでなら自分の声や演技力を生かせるんじゃないかって。それにコロナ禍で仕事が減って、友だちと遊ぶ機会も少なくなってきたなか配信自体がすごく魅力的に映ったんです。それでIRIAMの世界に飛び込みました。

褒められて伸びる子なんです

―なるほど、セリフや声の表現が巧みでいらっしゃるのは演技を学ばれていたからなのですね。でもIRIAMは音声投稿と違ってリスナーさんとのコミュニケーションが主軸になります。そのあたりはすぐに慣れました?

そうなんですよね。そもそも人見知りだし、雑談配信もやったことがなくて、何をどうしゃべればいいんだろうって内心ドキドキでした。だからデビューまでの間に先輩の枠をまわって基本を学びながら、配信と心の準備をして。先輩方もアドバイスやサポートをしてくださいました。

おかげさまで初配信には110人もの方に来ていただけて、めちゃくちゃ嬉しかったのを覚えています。ただ緊張がものすごくて、コメントをさばくどころかコメントを読むにも手間取って、気づけば下に200件くらい溜まってしまうとか......いわゆる「コメマラ」状態でした。
それでもみなさんに声がかわいいとか立ち絵が好きだとか、嬉しいコメントをたくさんもらえて、配信を始めてよかったなって。これからがんばるぞって気持ちが強くなりました。

けどホッとできたのもつかの間で、デビュー期の盛り上がりが落ち着いてしまうと同接が2、3人とかの日も出てきて、思うような配信ができなかったり、キャラづくりがうまくいかなくて悩んだり。日々一喜一憂しながら手探り状態で配信していました。

名前を失ったライバーに女神が微笑んだ

―すべてが初めての体験ですし、慣れるまでは大変ですよね。そうして毎日経験を積みながらトップバナーチャレンジに向かわれた感じですか?

それが、いよいよ最初の大きな目標であるトップバナーチャレンジが始まるぞってときに、立ち絵と名前を失うことになってしまったんです。

とあるゲームに出てくるキャラに似ているということで、急きょ変更せざるを得なくなったと聞きました。突然のことにまるで頭が回らないまま、ネットの怖さや不安に飲み込まれそうになって。もうやめちゃおうかとも思ったけれど、リスナーさんや先輩方、事務所の社長が「負けるな、がんばれ」って背中を押してくれて。あとトラブルをきっかけに名前を知ってもらえたり、応援をしてくれる人が急増したりしたことにも励まされました。

それでトップバナーチャレンジ前日に名前をいまの「茶ノ間みらい」に変えて、イベント初日は立ち絵なしでの配信となりました。バタバタのスタートでしたが、たくさんの方が応援してくださって、最終日に新たな立ち絵をお披露目することもできました。ご協力くださったイラストレーターさんには感謝してもしきれないです。そして結果まさかの3位に入賞できて、ほんと夢のようでした。

決めたらやる! やればできる!

―いまキラキラ輝いていらっしゃるみらいさんがそのような体験をされていたなんて......それでも逆境を跳ね返すように見事入賞されて、しかも日々配信を続けられている。本当にすごいことだと思います。

トップバナーチャレンジ後はさすがに気が抜けてイベントに出る気になれず、1カ月くらいはまったりと雑談配信するだけになっていたんですけどね。リスナーさんから「イベント走らないの?」って声が上がったり、同期デビューの子がイベントに出て上位入賞していたりすると、闘志がめらめらと燃え上がってきて(笑)。ちょうどそのころ事務所からも「がんばって記録を出せばLive2D化する」という話があって、これは走らねば! と。

それからは出られそうなイベントには毎週出るって決めて、走る前には「このイベントで入賞したい! がんばります!」って意志をしっかり伝えるようしました。ただ参加表明するだけだとリスナーさんも大変で疲れちゃうし、みらいもモチベーションが保てないので、いろんな衣装を発注して毎回新しい立ち絵を用意したり、リスナーさんに喜んでもらえるようなオリジナル特典をつくったり。へたっぴなりにサムネイルやヘッダーに凝ってみるとか、とにかく少しでもリスナーさんに喜んでもらえて、みんなが楽しくがんばりたくなるような環境づくりやできる工夫を考えました。

何よりやる気を奮い立たせてくれたのは、みんなが「みらいちゃんがLive2Dになった姿を見たい」と言って応援してくれたこと。そのひとりひとりの応援が盛り上がりスコアに大きく反映されたり、イベント上位になることでたくさんの人の目に留まって初見さんが来てくれたり。そんなありがたい相乗効果にも恵まれてLive2D化が実現しました!

お茶の間で一家団らん

―そこからは参加されるイベントというイベントで入賞されている、常勝イメージがあります。

プロフィールには入賞した記録しか書かれていないので、そんなイメージがあるのかもしれませんね。でも決して勝ち続けているわけではないし、同じ入賞でも悔しい思いをしたこともあります。
たとえば「IRIAM Birthday」イベントでは、2022年に1位をめざして全力で走ったけれど4位に終わりました。もちろんそれでも十分ありがたいことなのですが、5位までが激戦かつ接戦のなか惜しくも敗れたという経験はやっぱり悔しくて。みらいはもちろん、ファンのみんなも一緒にリベンジを誓ってくれて、次は絶対1位をとるぞって一年越しの目標を立てたんです。
それで2023年、みんなで思いきり走って念願の1位になれたんです。もうお茶の間が嬉し涙でひたひたになっちゃうくらい、みんなで喜び合いました。

配信を続けてきてよかった、これまでの経験が実ったという思いとともに、お茶の間の輪が広がっているのがわかりました。みらいと一緒に枠も成長してるんだって思えてすごく嬉しかったです。

みらいの枠には長くついてくれているリスナーさんが多いんです。そういう方が初見の方でも入りやすく、みんながお茶の間に居やすい雰囲気やリスナーさん同士の輪をつくってくれています。そうそう、みらいのおしゃべりが前よりうまくなったとか、トーク力が上がったねって褒めてもくれるんです(笑)。ずっといてくれる人だから、自分では気づかないことも見ていてくれる。見守ってくれてるって感じかな? お茶の間の〝大黒柱〟のような頼もしい存在ですね。

あと、リスナー層が変わった感じはあります。最初のころは20代や30代がほとんどだったのですが、気づけば高校生から60代の方まで。ご夫婦で応援してくれたり、夕方枠にお母さんが息子さんと一緒に来てくれたり。みらいのゆっくりしたおしゃべりが聞きやすくて落ち着くとか、一日の終わりに癒されるといって、幅広い年代の方が遊びに来てくれるようになりました。どんどん「お茶の間」の団らんっぽくなってきて、案内人としてもとても嬉しいです。

―お茶の間で輪になって和まれている様子が見えるようです。

ありがとうございます。自分でも諦めないでよかったなって、支えてくださったみなさんに感謝ですね。それでもまさか二年も、しかもまいにち配信し続けているなんて自分でも信じられないし、うちの母もめちゃくちゃ驚いてます(笑)。

一年目はイベントに勝つために長時間配信することもありましたが、仕事との両立がうまくいかなかったり体調を崩したりしたのでもうやっていないです。長く続けるためにも自分のペースで無理をしないこと。調子が良くなければ短時間にしたり、スキップパスを使ったり。気持ちに余裕がないときはちょっぴりお酒を飲んで心身をほぐすとか(笑)。

もともとメンタルが強いほうではないので、自分でスイッチを切り替えたり心が折れないよう守るべきところは守ったり。逆に、本来の自分なら一歩引いてしまうようなことも「みらいならできるよ」と言い聞かせながら、前に踏み出すことを心がけています。
「やんなきゃ!」ではなくて「やれるよ!」ですね。茶ノ間みらいとしてちゃんと配信していることがよりどころとなって、自分自身の力も信じられるような感覚かな。一歩を踏み出す足がかりですよね。おかげで、何に対してもすぐには諦めなくなりました。

だから駅広告やビジョン広告、雑誌掲載や店舗コラボとかの大きなイベントにも積極的に参加して、もっとたくさんの方にみらいのことを知ってほしい。新たなリスナーさんと出会う機会が増えればなって思っています。

あと、一歩を踏み出すということではIRIAM以外のプラットフォームでの配信にもチャレンジしています。IRIAMはみんなとのおしゃべりをまったり楽しむ大切なお茶の間なのに対して、YouTubeはゲーム好きなみらいがゲームをしたいときに楽しむ場所って感じかな。YouTubeやTikTokを見てくれた人がIRIAMに来てくれることもあるので、それぞれで楽しみ方や見せ方を変えながら、自分の成長につなげていければと思っています。

IRIAMでいちばんファンサの多い配信へ

―見せ方といえば、みらいさんはIRIAMでいちばんファンサービスの多い配信をめざされているとか。

おしゃべりが上手ではない分、自分の特技を生かしていろんな声色を使ったセリフを用意したり、ギフトごとにひとつひとつリアクションを変えてみたり。ギフトを贈ったりバッジをとってくれたりするのは本当にありがたいことだし、いただいた想いにしっかりお返しして、応援してよかったと思ってもらいたいなって。

たとえそれが大きなギフトでなくたっていいんです。何かコメントしてくれる、スターを贈ってくれる、それだけでも嬉しい。来てくれたリスナーさん全員にどうしたら楽しんでもらえる? 次はどう返したら喜んでもらえる? っていつもわくわくしながらリアクションを考えてます。それもみらいが楽しく配信を続けられる、大事なモチベーションのひとつですね。

諦めないで続けた先に見えるもの

―きょうはいろんなお話をありがとうございました!
最後に、これからIRIAMに触れる方やライバーになろうとされている方にメッセージをいただけますか?

IRIAMはみらいの人生を変えてくれたアプリです。
人見知りで、人前で話すのが苦手だった子が、ただ好きなことに夢中になって、できることをとことんやり続けた結果、ここにいます。
落ち込むこと、やめようと思ったこともあったけど、諦めないで配信し続けたからここにいられます。

みらいのイルミナリーを読んでくれた人、リスナーとしてIRIAMをはじめる人やライバーさんになろうとしている人も、きっかけは何でもいい。声や人が好きってだけでいい。その好きという気持ちを大事にして、とことんのめりこんだり新たな「好き」を見つけたりしながら、IRIAMの世界を楽しんでほしいです。

上をめざしたい、イベントで絶対上位になりたい! って人もいると思うし、ライバーを続ける大きなエネルギーになると思います。でもこれは経験者だから言えることですが、あまり無理をして走りすぎないこと。体調を崩さないよう、心が折れないよう、ちゃんと休憩をとりながら自分に合ったペースで配信してください。

そしてどうか一度や二度の失敗で諦めないで! 活動で大変なことがあってもそれですべてが終わるわけじゃないから。続けていれば、いつか「だいじょうぶだよ、やれるよ」って言える自分に出会えるから。
みなさんが一日でも長く、すてきな配信を続けられるよう祈っています。

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