INTERVIEW


エクセルイルカExcel Iruka

みんなと仲良くなりたくて電子の海から飛び出してきた電子イルカ。歌がうまく、声帯アップデートという特技をもつ。年齢165歳。2020年12月のデビュー以来、雑談を中心に明るく元気に毎日配信中。

水族館のハイライトといえるイルカのショー。しかし持ち前の身体能力をもってしても、狭い水槽のなか高速スピードで水を駆け、頭上を越えるジャンプを披露する技は一朝一夕には成しえない。
人気ライバーとして脚光を浴びるエクセルイルカも例外ではない。スポットライトが当たるまでの数百日間、なかなか人に届かない「超音波」で何度も何度も、あきらめることなく自分の夢を伝え続けた。いつしかリスナーと想いが通じ合い、信頼関係を築いた先に待っていた境地と聞こえてきた拍手喝采。いま、イルカが世界を魅了する。

念願のライバーデビュー

―このたびはご出演ありがとうございます。そしてまず掲載についてにご相談なのですが、エクセルイルカさんの特徴的な文字表現を一般的な表記に変換させていただいてもよろしいでしょうか?

もちろん! ぜひみんなが読みやすい表記にしてもらえたらうれしいです。

―ありがとうございます。 それでは改めまして、ライバーになられたきっかけからお伺いできますでしょうか?

理由としていちばん大きいのは、とある人気Vtuberさんの存在です。ぼくは165歳なんだけど、ある日のTwitterトレンドにとても懐かしいワードを見つけて、何だろう? と思ってたどってみたら、そのVtuberさんが配信で触れていたことが影響していたんです。

こういうことってあるんだ。時代とともに忘れ去られていたモノや埋もれていたワードが、ある日掘り起こされて、たくさんの人の目に留まる。そんな大きな影響力を持てるのってすごいなあって、ライバーに興味をもったのがきっかけです。

そうはいっても自分にとっては遠い存在だし、配信をするなんて大変そうだなーって思ってました。そんなとき、たまたまぼくの友だちの友だちが事務所を立ち上げるっていうのを聞いて、一気に身近になったんです。

もともと声のこと、声を使って何かをすることに興味があったので「ぜひやりたい!」 って伝えて、そこでお世話になりながらライバーデビューすることになりました。

そこからデビューまでの2カ月間、ぼくは当時まだ珍しかった枠回りをしていました。配信アプリに触れること自体が初めてだったから、IRIAMで過ごす毎日がもう楽しくって! 自分自身を認知してもらいながら、いろんな人の話を聞けるってすごいなあって。完全にドはまりして、それからはテレビもまったく見なくなっちゃいました(笑)。

ライバーになりきれない自分

―もうひとつ、「エクセルイルカ」というお名前の由来を聞いてもいいですか?

ぼく『HUNTER×HUNTER』という漫画がだーいすきで! 中でも特に好きなキャラクターの能力が名前の由来なんだ。わかる人にはわかるかな? もしわからなくても親しみやすい語感だから頭にすっと入ってくるでしょ?

―とても印象に残るお名前ですよね。
配信アプリは初めてとのことでしたが、配信はスムーズにできました?

いや、ぜーんぜん! 特に初日なんて、頭の中が真っ白になるくらい緊張しちゃって、何があったか覚えてないくらい(笑)。それにはじめたころは型の古いスマホを使っていて、ネット環境も全然整っていない状況だったんです。

ぼくの声がキンキンしたり、音がプツプツと聞こえにくかったり、画面が止まったり。通信が切れちゃうのが日常で、確か初配信でも4回くらい枠を作り直したんだ。そんなだったから、IRIAMの特徴である「ラグなし配信」がまったく成立してなかったんだ。

あと、あこがれていた声を使った活動やぼくとしての配信が実現したことで、自分自身が浮かれていたこと。恋に恋しているような感覚っていうのかな。配信はしていても、ライバーになりきれていなかった。配信そのものに夢中になってしまって、リスナーさん一人ひとりときちんと目を合わせて話せていなかったのかもしれない。

そのせいか、ぼくとリスナーさんとのやりとりもぎくしゃくして......ぼくがやりたいことに対してリスナーさんがあまりいい反応をしてくれなかったり、枠も盛り上がらなかったりした記憶があります。

迷子になったイルカ

―明るく元気にテンポよく話される、いまのエクセルイルカさんからは想像がつかないスタートだったのですね。

スタートだけじゃなくて、しばらくの間はずっとそんな感じでした。特にトップバナーチャレンジはトラウマになるような出来事があったんです。

当時は上位5名までのインタビュー掲載だったのかな。そこをめざしてイベントに参加していたんだけど、初日から思ったような結果が残せなくて。

そしたらあるリスナーさんが、初日の配信が終わろうとしたときに「(トップバナーチャレンジは)残念だったね」って。その人も決して悪気があって言ったんじゃないと思うんだけど......仮に盛り上がれなかった原因が配信環境を整えられなかったぼくの準備不足にあったとしても、ぼくはその何気ない一言にものすごく傷ついてしまったんだ。

でも実際そのとおりの結果に終わったことで、もうダメなのかな、ぼくが配信する意味なんてあるのかな、なんてすっかり気落ちしちゃって......1カ月くらいはうまく笑えなかったな。

毎日泳ぎ続けるというプライド

―そのようなことがあったのですね。それでもエクセルイルカさんは毎日配信を続けていらっしゃいますよね? なかなかできることではないと思うのですが。

それは完全にぼくの性格ですね。ぼくめちゃくちゃ負けず嫌いなんです。だから意地でも続けてやろうって思えたし、逆にこれで止まっちゃったらどうなるんだろうって怖さもありました。
自慢できるのは毎日配信を続けていることだけで、これすらなくなっちゃったらぼくはダメになっちゃうんじゃないかって。

それとぼく、やりたいと思っていることにどん欲というか、やろうと決めたことを途中であきらめたくないんです。特に好きではじめたことに関しては簡単にはやめない。とにかくぼくあきらめが悪いんです。

―それって、あきらめが悪いというよりは意志が強いということでは? 自分の決めたことをしっかりやり続けられるってすごいことです。

ありがとうございます!
でもトップバナーチャレンジが終わったときはとにかく自分に自信がもてなくて、リスナーさんたちに本音を言っても賛同してもらえないんじゃないか、嫌われちゃうじゃないかって戸惑うことも多かったんです。

それでも、たとえちょっとずつでも自分のやりたいことをやれるようになろうと思って、前から出たいと思っていた「オリジナルプチギフトイベント」に出て、入賞することを目標にしました。

開催2カ月くらい前から毎日「このイベントで勝ちたい!」って言い続けたんです。そしたら少しずつ話せるようになって、少しずつみんながぼくのやりたいことを理解してくれるようになって、賛同してくれる人が増えていって、入賞できたんです! ほんとうにもう粘り勝ちですよね。

入賞できたこともそうなんですけど、ダメな自分でも応援してくれる人がいるってことが心強くて、配信を続けていいんだ! ってようやく実感できるようになったんです。

自信をくれた出会い

―その入賞が転機になって、前向きに配信できるようになったのですか?

いえ、そのときはまだまだ自分に自信なんかなくて。
転機といえるのは、2022年の4月。ぼくの見た目が変わって、Live2Dが実装されたときかな。それまでのぼくは良くも悪くも〝いじられキャラ〟だったんですよね。ま、いまでもそうなんですけど(笑)。言い方は悪いですけど、なかなか一人前扱いはされなかったですね。

けど、そのタイミングでぼく、当時あったファンバッジの獲得数によって毎月表彰される「バッジマンスリー」で7位に入賞できたんです。入賞をめざして日々長い時間配信をしていたぶん、いままでにないくらい多くのリスナーさんたちと交流することができました。

そのとき出会えたたくさんの人たちが、ぼくが思っていることを素直に言っていいし、やりたいことを強欲にやっていいんだよって言ってくれて。その言葉の安心感で、ここまで引きずり続けていたモヤモヤや葛藤がすっと消えたんです。気持ちも切り替わって、前向きに配信できるようになって、いろんなチャレンジができるようになりました。

リスナーさんたちはいろんな言葉でぼくを励ましてくれたり、枠を盛り上げてくれたりしました。ときにはトラブルもあったけど、それもぼくを成長させてくれたひとつの経験なので、出会ったすべての人たちにぼくは感謝しています!

〝外海〟を泳ぐ意味

―チャレンジといえば、エクセルイルカさんはIRIAM内外問わず、いろんなイベントや取り組みに参加されていますよね。

わぁっ、いろいろ見ていてくださってうれしいです。ありがとうございます!
そうですね、自分ができる範囲ではあるけれど、外部イベントには積極的に参加させてもらっています。

〝外部〟を意識するようになったのは、「IRIAM Birthday」のイベントがきっかけですね。2022年6月に広告掲載された初代入賞者のライバーさんとお話ししたとき、バースデー広告を見た人が、わざわざIRIAMをインストールしてまで枠に遊びに来てくれたんだよって聞いてすごく感動しました!

ぼくはIRIAMで長く配信しているし、名前が独特なこともあって、IRIAM内ではたくさんの人がぼくを知ってくれています。けどIRIAMを知らない、もっと広い世界の人にもぼくのことを知ってもらいたいし、たくさんの人とも出会いたい。そういう思いから、IRIAMのバースデー広告やリアル店舗連携、雑誌掲載イベントはもちろん、IRIAM外のさまざまなイベントやキャンペーンなどの〝外部〟を意識するようになりました。

実際、数々のイベントを通じて新しい輪が広がりました。IRIAMのリスナーさんたちがわざわざイベント現地まで足を運んでくれたり、同じ企画に参加したいろんなライバーさんやVtuberさんとやりとりができたり。
映画館内で流れるCMに出演できたときも、それをきっかけにこれまで配信に触れたことのない方々がIRIAMの枠に遊びに来てくれたり。

そういう報告を聞くととってもうれしいし、ランキングやフォロワー数とかの数値的な評価じゃない手応えというのかな。それがまた自信になって、さらにいろんなことに挑戦できるっていう、いまの良い流れにつながっています。

100日後に待っていた奇跡

―その良い流れが、4月のIRIAM Birthdayイベントにも発揮されていましたよね。

あれは本当にうれしかったし、配信をはじめて以来、いちばん大きなイベントでした。

バースデーイベントに出たい! と思ったころは、いろんなイベントに出てもことごとくダメで、こんなぼくが出てもまた絶対ダメなんだろうなと弱気になっていました。
けどそれでもあきらめきれないから「10カ月後のバースデーイベントに出て1位をとるぞ!」って目標を決めて、声に出してリスナーさんに伝えたんです。

そのとき、注目を集めるために「100日動画を出してみたら?」ってアイデアをくれたんです。当時、無名からはじめて100日後にVtuberデビューの夢を叶えた女子高生が話題になっていて、それをやってみれば? というアイデアが出ました。

最初聞かされたときは動画なんてほとんど作ったことないし、そんなの無理だよ〜ってひるんじゃったんですけどね。

でも自分から1位をとるなんて無謀なことを言いはじめたのだから、自らが何か無謀な挑戦でもしないかぎり、リスナーさんの心を動かせないよなって思い直したんです。

ぼく、もともと腰が重いタイプで、やんなきゃと思っててもなかなか実践できないタイプなんですけど、やる! と公言してしまったらやるしかないので。とことん自分を追い込んで、とにかく毎日作っては公開して......必死で100回繰り返しました。

100日間も毎日PR活動をやっていると、ぼくのやっていることに賛同してくれる人もどんどん増えてきて。たくさんのリスナーさんがぼくの応援ヘッダーをつけてくれたり、バースデーイベント中に一度IRIAMをやめていた人が数年ぶりに来てくれたり、ラスランで同接100人目標だったのが倍以上の208人もの人がかけつけてくれたり、嘘みたいにすごい出来事が次々と起こって。

結果の1位というのはいまだに信じられないくらいの出来事だったんだけど、でもぼくの想いがこんなに大勢の人たちにちゃんと届いていたんだって実感できて、むちゃくちゃうれしかったし、すごく楽しかったです!

―オリジナルソングのPV動画の反響もすごかったですよね?

あっ、YouTubeのですよね。あの驚異の再生回数についてはぼくもよくわからないんです(笑)。
あの曲はリスナーさんが作詞作曲してくれたもので、もともとバースデーに合わせて制作したわけではなかったんですけど、結果的に偶然近い時期の完成になりました。

ぼくのことをよく理解してくれているリスナーさんが作ってくれたから、曲やPVの評判も良いし、リスナーのみんなもすごくよろこんでくれました。さらにたくさんの人が「エクセルイルカ」のことを知ってくれるきっかけにもなっていて、かけがえのないバースデープレゼントになりました。

―今後ますます広い海を気持ちよく泳がれるだろうエクセルイルカさんの次なる目標と、これからIRIAMに触れる方、ライバーになろうとされている方へのメッセージをいただけますか。

そうですね、これからも積極的にIRIAM内外のいろんなイベントに参加して、ぼく自身のこともIRIAMのこともたくさんの人に知ってもらいたいなと思っています。
IRIAMの枠は、みんなと楽しい時間をすごせるのはもちろん、みんなと相談しながらぼくの夢を一緒に作っていける場として大事にしていきたいです。

IRIAMにはいろんなライバーがいるので、必ずあなたに合ったライバーが見つかると思います。それにIRIAMにはいろんな配信スタイルがあるので、あなたに合った配信のスタイルも見つかると思います。だから、気軽に遊びに来て、リスナーとしてもライバーとしてもIRIAMを楽しんでほしいなと思います。

配信をしてみて、もしトップバナーチャレンジの結果が良くなくても、あきらめなければいつか何かの目標を達成できる。自信がもてなくて、これを言ったら嫌われちゃうとか自分が傷つくと思って言えなかったことを声に出して伝えること! リスナーさんときちんと交流すること! これが、ぼくが身をもって学んだ大切なことです。

あとは何より、健康な心と体が一番! 両方を維持しつつ、勇気をもって自分の考え方を伝え続ける。とにかくあきらめないで、納得できるまで続けてみてね!

これからも一緒にIRIAMを楽しもうね! キュイキュイっ🐬

OTHER INTERVIEW